あれは、


治療が終わった次の日だった。


まだまだ倦怠感があり、


治療後はいつも2.3日ゴロゴロしている。


そしてその期間は


なかなか食欲が湧かない。


だから看護師さんからも


「食べたい時に食べれる物を食べたいだけ」


食べるといいよーと言われている。



それなのに。


分かってるはずなのに


夜ごはんをあまり食べなかった私に


母は


「動かずにゴロゴロしてるから

 お腹空かないんじゃないの?

 ちょっとは動いたら?」


と言われた。



私はほんとに悲しくなった。


だから言い返した。


「いやいや、

 治療終わったの昨日だよ?

 いつも数日はしんどいでしょ?

 だからゴロゴロしてるでしょ?

 食べたいのに食べれないんだから

 仕方ないのにそんな言い方しないで!

 動きたくても動けないのに、

 そんな事言わないでよ!」



母は珍しく反省したのか


少しして謝ってきた。


「キツい言い方やったね。ゴメン」


だから私はまた言った。


「あのね、病院でも私、看護師さん達に

 褒めてもらってるんだよ⁈

 治療終わって数日で家事やってるの?

 それはスゴイよって言われてる。

 それなのにこれ以上頑張れって

 言われたら無理だわ。」


母は黙っていた。



この話は本当である。



この前の治療の時、


顔見知りの看護師さんに


「家事はお母さんにやってもらってるの?」


と聞かれたから


「治療中だけはやってもらってます」


と答えたら


「えっ⁇ そうなの?」


って言われたので


「他の家事はともかく、食べる事は

 早くやってほしそうなんで、

 動けるようになったらスーパーに

 買い出しも行って

 普通にごはん作ってますよ〜」


と言ったら看護師さんが


「お母さんいくつだっけ?」


と聞いてきた。


→母も同じ病院に通っていた事を

 その看護師さんは知っているし

 今は病気がほとんど治っている事も

 知っている。


「69になりました」


「それならまだまだ動けるのにねー

 あなたに甘えてるのかな⁇」



私はこの会話で確信した。



あぁ私だけが違和感を感じていたと


思っていたけど


やっぱり周りから見たら母は


甘えてるように見えるんだ。


なんだか安心した。


というか


私の気持ちを分かってもらえた気がした。


だから母にそれを伝えられて


ちょっとスッキリした。



しかしほんとに


両親ともに思いやりがない。



というか


自分の事しか考えてなくて


何も考えずに喋るから、


周りの人を平気で傷付ける。


改めて、


絶対私はそんな人になりたくない。



そう思った出来事だった。