最近、大学時代の友人が面白いものを紹介してくれた。その名は「接触感染対策テープ」という、名前の通り、ウイルスや細菌がついたモノを通しての感染を予防するので、このご時世、コロナ対策を意識して作られたテープと思う。

 

 「接触感染」とは感染者と直接触れる、もしくはモノを通して接触した際、そこについていたウイルスを含んだ飛沫を自分の体にくっつけてしまうことから感染する。主に手を通してウイルスが付着したモノと触れ、自分で意識しない間に、手を鼻や口につけて気道に入り感染する。ただ直接的な接触は、家族や同じ職場の人、かなり親しい友人などに限られ、それ以外の人と直接肌を触れ合うことはさほど多くないと思われる(介護や医療職の人などはもっと多いけど)

 

 問題は「間接的な接触」による感染。会社やお店、学校などすべてのドアノブ、共有のテーブル、電車やバスのつり革や手すり、エレベーターのボタン、宅配の受け取り、小銭、飲食店での食器、など、あらゆるものを通して、われわれは間接的に、他人の”手”と接触している。もし感染者の触ったモノに自分の手を付けると、間接的にだが、ウイルスをもらう可能性がある。どの程度の割合でウイルスが付着するのか?それはどの程度の感染力があるのか?気道から出たウイルスは時間が経てば感染力はなくなるが、どれくらいの間ウイルスが生きているのか?など、専門家でもはっきり分からないこともたくさんある。それはともあれ、先に述べたドアノブなどは、一人が触った後、毎回消毒することなど不可能。そこで「帰ったらよく手を洗いましょう」など、当たり前で子供に言って聞かせるようなことが、接触感染予防のキャッチフレーズになっている。少なくとも悪いことではないが、家に帰るまでに接触の機会は山ほどあるわけだし、効果はごく限定的に思える。いずれにしても、感染を恐れていると(神経質な人では特に)他人の手のついたものすべてを避けたくなる思うが、現実的ではない。

 

 そこで先の「接触感染対策テープ」の登場である。

 

接触感染対策シート・テープ|貼るだけカンタンウイルス対策 (kansai.co.jp) 

 

 用途としては、多くの人が触れるモノや設備、ドアノブや手すり(乗り物や施設などでもあちこちにある)に貼って、触った人の持っていたウイルスや細菌などの滅菌をするというもの。自然素材の「漆喰」でできており、強アルカリ性の消石灰。これは鳥インフルエンザの消毒でも使われている。そして誰でも簡単に切り貼りでき、一回貼ると半年持つという優れモノ。これを貼ることで手と手を通じてのウイルス感染が予防できるのであれば、素晴しい商品である。なお長崎大学の実験で99.97%の除菌率、と言っているのは限定的なデータだとは思うが、単純に考えて人によってまちまちな手洗いと比べ、感染拡大に100倍くらいの効果はあると思う。

 

 ウイルス対策としては、いろいろな方法があちこちで言われているが、公衆衛生学の先生もどういった対策が現実的で高い効果があるのか、案外きちんと発信できてない。実際あのWHOでさえも、感染拡大当初は「マスクは意味がない」なんて言っていた。そして今は日本の偉い先生方も、素人並みに「自粛自粛」と言って、自分たちが責任を取らされるのを回避しているような・・・。ということで、結局いい予防策というのは、誰が考えても当たり前でシンプルな方法なのだ。マスクは普通に考えて、飛沫に含まれるウイルスを物理的に遮断する当たり前の予防策だが、このテープはシンプルながらも「接触感染」予防に、害も少なく、現実的な観点から作られたもので、いろんな場所で導入されて欲しい。ひょっとしたら世界の救世主になるかも!

 

 ちなみに発売元は「関西ペイント」で、関西にある地味な会社のイメージだが、実は世界的に事業を展開する大企業。この商品については、かの「ミルクボーイ」に漫才を作ってもらい宣伝している。個人的にはこんなスゴイ商品は大々的にテレビCMして、日本だけでなく世界に売り込んでほしい。

 

ミルクボーイ漫才「接触感染対策テープ」