抗うつ薬① トリンテリックス(ボルチオキセチン)
特徴・利点
・種々のレセプターに作用して、これまでの抗うつ薬と違う効き方をする、興味深い薬
・5HT1Aにはアゴニストに近い作用で、抗うつ効果が高い
・セロトニン増加以外に、NA, DA, Ach, H, Gluも上げる
・離脱症状がないらしい →SSRIで離脱症状で困る人に、こちらに切り替えて離脱を図る
・Activationがなく、自殺念慮を来さないという(重要)
・認知機能の改善効果:DA, NAに加えAchが特に海馬でなどで増加
→ VOR(トリンテリックス)>SNRI>SSRI>MAOI>TCA
→ 長期的には、BNDFを増やして神経細胞の伝達を改善するという
・性機能障害なし
・長期的にも、体重増加はない
・抗うつ薬を比較した論文では、効果・忍容性を考えて、ベストに近い評価
・SSRIなどで、感情鈍麻、体重増加、疲労感(flat, fat, tired)にずっと悩まさていたが、目覚めたように元気になった人も
(ただし製薬会社からの情報が主)
使い方
・10mgで開始し、1-2週毎に10mg増量し、20mgまで。1日1回でOK
→ なおSERT占拠率:10mgで44-60%、20㎎で90%以上
・切り替えでは、レクサプロ20㎎に、トリンテリックス10㎎を加え、1週毎に、それぞれ10㎎ずつ増減して、2週間後にレクサプロは中止へ
副作用・デメリット
・開始後1週間は、嘔気・嘔吐・下痢などの消化器症状あり =5HT3アンタゴニスト作用あるのに、SSRIと同様に消化器症状あるとのこと
・発売されたばかりで、まだよく分からない
印象
・消化器症状はSSRIと同様というが、今のところあまりない
・効果発現も早い =2-3日で出る人も、患者の評判も割と良い
・難治性患者や、うつ病で認知機能低下した患者に希望を与える薬になるかも
・抗うつ薬に弱い人にも使えるか?
・ 双極性うつ病には?