昨日は早朝に大和八木駅近くのビジネスホテルをチェックアウトし、大和八木駅より橿原線と吉野線を橿原神宮前で乗り継いで、吉野に向かいました。
吉野線吉野行き普通列車は、多くの通学客で賑わっていました。高校生は奈良県立吉野高校の生徒のようで、高校生の全員が最寄りの吉野神宮で降りました。
高校生が降りた後の車内は閑散としてしまいましたが、ほどなくして終点の吉野に着きました。
当駅の近くには吉野ケーブル(ロープウェイ)千本口駅がありますが、今回は8時03分発大阪阿部野橋行き特急に乗らなくてはならないため、ロープウェイは断念し、吉野駅に引き返します。駅前にはお土産屋さんが立ち並びますが、早朝のためまだ1軒も開いていませんでした。
列車は出発時刻の約5分前に回送で1番線に入線しました。16000系2両編成(座席定員124人)です。
すぐに2番ホーム側のドアが開き、車内に入ることができました。トイレにはウォッシュレットが設置されていて、驚きました。他の鉄道会社にも広がってほしいものです。
結局、1号車禁煙車2人、2号車喫煙車1人だけを乗せて、列車は定刻に吉野を出発しました。
南大阪線系の南大阪線、道明寺線、長野線、御所線、吉野線は、他の近鉄線と異なり、1,067mmの狭軌です。吉野線は全線単線であり、特急といえども、あまり速度が出ません。
吉野神宮では乗降がなく、大和上市で4人の乗車がありました。
六田は乗車がありませんでしたが、下市口で15人が乗車しました。
次の福神で9人の乗車がありました。
JR和歌山線との接続駅、吉野口には2番線に着きます。同じホームの反対側3番線は、JR和歌山線和歌山方面の列車が発着しますので、JR和歌山線下り列車と近鉄吉野線上り列車は対面乗換が可能です。
当駅はJR西日本の管轄駅で、きっぷうりば窓口・改札にはJRの職員が配置されています。近鉄特急券は、2番線ホームの特急券売機でのみ購入可能です。なお、当駅にはみどりの窓口はありません(マルス端末非設置)が、2番・3番線ホーム上のキヨスクで駅弁を販売しています。
当駅では2人が乗車しました。壺阪山で3人、飛鳥で5人が乗車しました。
橿原神宮前では13人が下車し、38人が乗車しました。当駅で下車した人の多くは、連絡する京都行き特急への乗換客と思われます。ここでも、特急料金通算制が利用者の利便性を高めていることが伺えます。
当駅から全線が複線の南大阪線に入ります。スピードもぐんと上がりました。
高田市2人下車・7人乗車、尺土1人下車・13人乗車、の変動がありました。尺土で1号車はほぼ満席となりました。
古市でも2人が乗車してきました。古市出発後、車内を視察しました。1号車63人、2号車41人、合わせて104人が着席していました。その他にも2号車デッキに2人が立っていました。全体乗車率は85.5%に達しましたが、2号車喫煙車の乗車率は73.2%に留まりました。
南大阪線・吉野線特急は、大阪阿部野橋-吉野間全区間を乗り通しても、乗車時間は80分と短く、全車禁煙にしても問題は生じないと思います。近鉄では喫煙ルームを備えた全座席禁煙席の新型特急車両への置き換えを順次進めており、南大阪線・吉野線でも一日も早く全席禁煙化を実現していただきたいと思います。
そして、列車は9時23分定刻に大阪阿部野橋に着きました。
南大阪線・吉野線の特急料金は、全区間で41km未満の特急料金と同額の500円に抑えられた「特定特急料金」となっています。しかし、大阪阿部野橋-橿原神宮前は39.7kmであり、南大阪線内相互間の特急利用ではこの「特定特急料金」の恩恵に浴することができません。20km未満300円、35km未満400円など細かい料金設定を実現してほしいものです。
近鉄の小林社長は、産経新聞(電子版2010年9月15日付)とのインタビューの中で、2013年の新型特急「しまかぜ」の導入に合わせて、時間帯やサービス内容に合わせて、特急料金を細かく変動する新しい料金体系を導入することを明らかにしています。
混雑時間帯である朝上りおよび夕方・夜間下りを除いて、閑散時間帯の列車には、特別な割引料金で特急に乗れるようにし、需要掘り起こしにつなげたいものです。硬直的な体質の鉄道業界にも、ようやくイールド・マネジメントの手法が採用される日が近づきつつあります。