( 予告 )( 出題 )
( 推理 1 2 3 4 5 6 終 )
あらすじ
「京間栄介の半世紀の人生を振り返る会」
今から30年以上前に富豪・京間栄介が叔母へ贈ったカルタ。
そこには京間栄介の手による暗号が綴られていた。
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いざ弱いを順に並べ
まだ一つ及ばずと知れ
まずは手習いをそえ
でしゃばりな給仕に暇を
悪魔は潰し、興を削ぐな
両の目が揃ったら臨め
雁首並べた礼に倣い続けば
取り撫で数えた御首級を呼んで終わり
上手く紡げば真名が認める
京藤と
ヤいた原の実
モガれても
キレイな方よ
ソれを遊んで
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京間栄介がカルタ箱のフタに綴った言葉をひとしきり眺め、俺は叔母さんにこの暗号が解けたのか、とあまり期待をせずに聞いてみた。すると、意外にもあっさりと「解けたわよ」と答えたのだった。
なんだか肩すかしを食らったような気分だったのだが、叔母は改めて質問の答えを言い直した。
「私が給仕として別邸に勤めた5年間で、旦那様の信頼は充分に得るだけの仕事をしたと自負しているし、旦那様がコレクションのカルタを退職の折に下さったのを思い出すと今でも誇らしげな気持ちになるわ。私を認めて下さってたんだって証拠ですもの。……だから私がこの暗号から読み解いた答えが正解であって欲しい、と思ってる。ただ。私の解き方では意味のわからないところもあってね。他になにか方法があるのかも、と考えてみたこともあったのだけれど、未だにわからず仕舞い。というのが正直なところかしらね。この際だし、貴方にこれを貸してみて暗号の答え合わせをしてみてもいいのかもと思ったのよ。どう?やってみない?」
叔母が解いたという答えも知りたいのだが、俺は目下のところ象徴的に区切られた暗号文の末尾五行の方が気になっていた。実に暗号っぽさのある奇妙な文だ。片仮名の使い方といい、五・七・五・七・七でまとめられた文体といい、明らかに上段までとは異なっている。
「これって短歌だよね?」
「短歌調ではあるけれど、知らない歌だし、意味もわからないけれどね」
意味不明、か。
"叔母さんは知らない"のに暗号が解けたのか?
いやこの部分こそがまさにさっき叔母さんの言っていたった意味のわからないところ、そのまんまなんじゃないだろうか。とすると、京間栄介の暗号の肝は恐らくここにある。
よし。俄然やる気が出てきた。
「このカルタ借りて行ってもいいんだよね?」
「いいわよ。ただし、大事に扱ってね」
「もちろん」
俺は叔母さんの了解を得ると、早速暗号についてのメールをアイツに入れた。
すると30秒とかからずに返信がくる。
≪Kスグニイク≫
いつもの返信用定型文の一つだった。
意味は、すぐに合流するから教室にいっとけ、だ。
メールしといて良かった。この食いつき具合からして、もし話をせずに事を進めてたら後で何を言われてたか知れたもんじゃないぞ。
俺は、叔母さんとの挨拶もそこそこにカルタをカバンにしまいこみ、1%の奇人、天然好奇心娘、美暴の乙女、二つ名だらけの我が相方・一実(ニノマエミノリ)がすでに待っているであろう我が校の教室へと自転車を漕ぎ出した。
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次回より"99+1"の真実コンビが暗号解読を開始します。
果たして貴方は彼らよりも先に解読できるでしょうか?
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