自由には行き来できない場所で
はつ恋の人に会った
白いミモザのリースが飾ってある
扉の前で
待っていてくれて
私を見て
綺麗な顔をゆるませ
手を伸ばしてくれた
春の柔らかな風が
通り抜けたようにくすぐったくて
彼の手をとって
私もわらった
久しぶりだね
と言いたかったのに
言葉にならなかった
ふいに
彼が
しがみつくように
手をにぎったから
びっくりすると
ほんの少しだけ
彼は
私を引き寄せて
またね
と言った
待って
もう少しだけ
と、言ったつもりが
取り残された獣が
遠吠えしたみたいになって
私は、慌てて口を抑えた
泣き出しそうになるのを
必死で堪えて
まだ彼の温度が残っている
離された左手をそっと撫でる
そこにはない
彼の右手を思いながら
白いミモザのような
彼を
思いながら