ボーッとしてる
そう人からよく言われる
小さい頃から
そして現在も…
自分では、そんなつもりは、ないのだが
人から見ると
何も考えてないように思われるようだ
でも俺は、
今も考えてる
空を泳ぐ雲を眺めながら
ソラチカ
08 ホントの自分③
昨日、隣のクラスにいる
「涼風渉くん」に話しかけた
「一緒にアイドルやってください」
そんな言葉で
涼風くんを
自分の夢とも言えない計画に誘った
きっと
その言葉で
涼風くんの様子がおかしくなったんじゃない
俺の「名前」を聞いた瞬間
涼風くんの表情から
驚きと怯えが伺えた
どうして?
なんであんな表情を…
やっぱ俺と涼風くんは、
どこかで会ったことがあるのかな…
そんなことを永遠と考えていた
「…な…」
「…はな…」
翼「花っ」
花「…え…」
翼「早く弁当食わないとカピカピになっちまうぞ」
花「あ、うん…」
また俺は、考え過ぎて「ボーッと」していたようだ
昼ご飯の弁当を早く食べたほうがいい、と
目の前の幼なじみは、勧めるが
食欲を優先することができなかった
疑問のような
内にあるモヤモヤしたものに
目を逸らすことができなかった
「なにか」があるなら
知りたかった
あの表情の理由を
花「…俺…ちょっと行ってこようかな…」
翼「………涼風のとこか?」
花「…うん…」
翼「…前から涼風を知ってるような、なんか思い当たる節(ふし)があったんだよな?」
花「…うん…」
翼「…じゃあ…やっぱなんかあるんだろうな…」
花「…涼風くんに「関わるな」って昨日言われたけど…なんか…忘れてる気がして…このままじゃいけない気がして…」
翼「…まぁ…涼風側が何考えてるかさっぱり分かんねぇけど…いつまでも目の前でボーッとされてると…俺の調子が狂うからさ…さっさっと行ってこい」
花「…つーちゃん…」
翼「つーちゃんって言うな」
花「…じゃあ…ちょっと…行ってくる」
翼「おう」
「一緒にアイドルやってください」
そんなことをまた言うつもりは、ない
ただ
自分が忘れてることを
あの表情の理由を
知りたい
その気持ちを胸に
涼風くんがいる
星立星ヶ丘高等学校一年一組に向った
昼食の時間も終わりに差し掛かるころで
一組の教室は、人がまばらだった
そのため、すぐに教室内を見渡すことができたのだが
涼風くんの姿は、そこには、なかった
俺がキョロキョロとしていると
一組の生徒が親切に話しかけてくれた
俺が涼風くんを探してることを伝えると
「…あ〜…涼風ね…」と、少し含みのある表情をした
話の流れを聞いていた他の一組の生徒が
「涼風は、休みだよ、もう来ないかもしんないよ」と、教えてくれた
俺が「え?!なんで?!」と、聞くと
一組の生徒達は、喋るのを一瞬躊躇していたが
昨日あった事の経路を教えてくれた
「涼風渉」
「天野渉」
その名前を聞いて
俺は、
遠い昔の出来事を思い出した
あれは、
スゴく暑い夏の日のこと…
ソラチカ 08 ホントの自分③