IN OUT 不参加なのでポチッは不要です
「い、行ってきます」
あ、へ、返事しちゃった!
慌ててドアを閉めて鍵を掛けたけど、ドアを閉めるその向こうで幽霊が・・
いや、幻覚が笑顔で手を振っていたのが見えた。
やだ、もう。
大学へ向かう下り坂でAKB不動産に電話を掛けた。
小高い丘の上にあるアパートから大学までは徒歩で15分ほど。
以前のマンションより通学はとても楽だ。
そういう意味では今度のアパートは願ってもない物件だったのだが。
携帯からの呼び出し数回でAKB不動産に繋がった。
「もしもし、お電話ありがとうございます。AKB不動産です。」
「あ、もしもし、おはようございます。先日お世話になった臼井です。」
「ああ、臼井さん、先日はありがとうございました。今日はどうされましたか?」
「あ、あの、どうされましたじゃなくて、あの、幽霊が出たんです!」
「はあ、そうでしょうね。それでどうされました?」
「あの、どうされましたじゃなくて!出たんです!。」
「はあ、それはもうお聞きしました。だからどうされたんですか?」
「どうされましたじゃ無いでしょ?幽霊が出たんですよ!」
「はあ、だから、それがどうしたんですか?」
「どうしたんですか?って!幽霊、どうにかして下さい!」
「はあ???何を言っているんですか?幽霊が出る事は契約時にちゃんとお伝えしてありますし、それで格安だと云う事もご承知の上のご契約ですよね?」
「そ、それはそうですけど・・まさか本当に出るとは・・・」
「あの、忙しいんで切りますね。幽霊は自分で解決して下さい。では。」
ガチャ。
ガ、ガチャ切り~!!!
酷い・・・
でも、確かに言われた事はその通りなので反論できない。
でも・・・でも・・・
自分で解決しろって、どうしたら良いの?
半ばパニック状態で歩いていたけど、あっという間に大学に着いてしまい、それからは院の研究室の準備やら、教授の準備の手伝いやらでてんてこ舞い。
忙しくしていたので幽霊、じゃなくて幻覚の事は忘れていられた。
しかし、授業時間も終わりに近づくと段々と暇になりだして、再びどうすれば良いのか心がザワザワし始める。
仕方がない!
気持ちが固まったのは帰宅時間になってからだった。
とりあえず、大学近くの神社に向かい、そこで魔除けの御札をたくさん買って、その後近くのスーパーで買物をして家に帰る。
アパートの前まで帰って来たけど、中々部屋へ入る勇気が出ない。
「よし!!」
自分で自分に活を入れて幽霊部屋へ突撃だ!
鍵を開ける。
ガチャリ。
ドアを開ける。
その途端に声が響く。
「あ、お帰りなさい!」
ふえ~ん・・・・
居る・・・・
幻覚だ、でも、目の前に居る。
しかも私のエプロン付けてる。
はぁ~~~~!
何で?
エプロン付けてるの???
て、言うか、幽霊が、いや幻覚が・・・・ああ面倒くさい!
もう、幽霊でいい!!!
幽霊が物に触れるの??
もう、どうでも良い。
とにかく私は幽霊に知らん顔して、買ってきた御札を部屋中に貼り付けていった。
「あれ?何してるんですか?」
知らない、聞こえない!。
まだまだ貼り続ける。
とにかく、絶対守らないといけないのは、ベッドだ!
ヘンタイ幽霊だったら私の操が危ない。
ベッドの周りには二重三重に御札を貼り付けてやった。
ふん、これでどうだ幽霊め!
ベッドの周りに結界が完成したぞ!
「あれ?何ですか、これ?」
そんな・・・
御札を平気でいじる幽霊が居るなんて信じられない。
だめだ・・・死んじゃいそう。
いやいや・・・私が幽霊になってどうする。
と、とりあえず、ご飯を食べよう。
私はスーパーから買ってきた食材を冷蔵庫に入れて晩御飯の用意をしようとした。
振り向いて唖然とした。
テーブルに夕食の用意が出来ている。
「えっ?何これ?」
「へへ、美味しそうでしょ?僕、料理得意なんですよ。」
幽霊が私のエプロンを取りながら椅子を引いて私に座れと促していた。
思わず促されるまま座ってしまった。
「どうぞ、召し上がれ。」
「・・・・頂きます。」
あ・・・幽霊に返事しちゃった。
続く 第六回へ
「い、行ってきます」
あ、へ、返事しちゃった!
慌ててドアを閉めて鍵を掛けたけど、ドアを閉めるその向こうで幽霊が・・
いや、幻覚が笑顔で手を振っていたのが見えた。
やだ、もう。
大学へ向かう下り坂でAKB不動産に電話を掛けた。
小高い丘の上にあるアパートから大学までは徒歩で15分ほど。
以前のマンションより通学はとても楽だ。
そういう意味では今度のアパートは願ってもない物件だったのだが。
携帯からの呼び出し数回でAKB不動産に繋がった。
「もしもし、お電話ありがとうございます。AKB不動産です。」
「あ、もしもし、おはようございます。先日お世話になった臼井です。」
「ああ、臼井さん、先日はありがとうございました。今日はどうされましたか?」
「あ、あの、どうされましたじゃなくて、あの、幽霊が出たんです!」
「はあ、そうでしょうね。それでどうされました?」
「あの、どうされましたじゃなくて!出たんです!。」
「はあ、それはもうお聞きしました。だからどうされたんですか?」
「どうされましたじゃ無いでしょ?幽霊が出たんですよ!」
「はあ、だから、それがどうしたんですか?」
「どうしたんですか?って!幽霊、どうにかして下さい!」
「はあ???何を言っているんですか?幽霊が出る事は契約時にちゃんとお伝えしてありますし、それで格安だと云う事もご承知の上のご契約ですよね?」
「そ、それはそうですけど・・まさか本当に出るとは・・・」
「あの、忙しいんで切りますね。幽霊は自分で解決して下さい。では。」
ガチャ。
ガ、ガチャ切り~!!!
酷い・・・
でも、確かに言われた事はその通りなので反論できない。
でも・・・でも・・・
自分で解決しろって、どうしたら良いの?
半ばパニック状態で歩いていたけど、あっという間に大学に着いてしまい、それからは院の研究室の準備やら、教授の準備の手伝いやらでてんてこ舞い。
忙しくしていたので幽霊、じゃなくて幻覚の事は忘れていられた。
しかし、授業時間も終わりに近づくと段々と暇になりだして、再びどうすれば良いのか心がザワザワし始める。
仕方がない!
気持ちが固まったのは帰宅時間になってからだった。
とりあえず、大学近くの神社に向かい、そこで魔除けの御札をたくさん買って、その後近くのスーパーで買物をして家に帰る。
アパートの前まで帰って来たけど、中々部屋へ入る勇気が出ない。
「よし!!」
自分で自分に活を入れて幽霊部屋へ突撃だ!
鍵を開ける。
ガチャリ。
ドアを開ける。
その途端に声が響く。
「あ、お帰りなさい!」
ふえ~ん・・・・
居る・・・・
幻覚だ、でも、目の前に居る。
しかも私のエプロン付けてる。
はぁ~~~~!
何で?
エプロン付けてるの???
て、言うか、幽霊が、いや幻覚が・・・・ああ面倒くさい!
もう、幽霊でいい!!!
幽霊が物に触れるの??
もう、どうでも良い。
とにかく私は幽霊に知らん顔して、買ってきた御札を部屋中に貼り付けていった。
「あれ?何してるんですか?」
知らない、聞こえない!。
まだまだ貼り続ける。
とにかく、絶対守らないといけないのは、ベッドだ!
ヘンタイ幽霊だったら私の操が危ない。
ベッドの周りには二重三重に御札を貼り付けてやった。
ふん、これでどうだ幽霊め!
ベッドの周りに結界が完成したぞ!
「あれ?何ですか、これ?」
そんな・・・
御札を平気でいじる幽霊が居るなんて信じられない。
だめだ・・・死んじゃいそう。
いやいや・・・私が幽霊になってどうする。
と、とりあえず、ご飯を食べよう。
私はスーパーから買ってきた食材を冷蔵庫に入れて晩御飯の用意をしようとした。
振り向いて唖然とした。
テーブルに夕食の用意が出来ている。
「えっ?何これ?」
「へへ、美味しそうでしょ?僕、料理得意なんですよ。」
幽霊が私のエプロンを取りながら椅子を引いて私に座れと促していた。
思わず促されるまま座ってしまった。
「どうぞ、召し上がれ。」
「・・・・頂きます。」
あ・・・幽霊に返事しちゃった。
続く 第六回へ