たしかニーチェは「血で書け!」といったことを『ツァラトゥストラ』あたりで書いていた。
本書は「慢性疲労症候群」の闘病マンガであるが、まさしく血と疼痛と涙で描かれたものだ。
早稲田の友人が慢性疲労症候群で苦しんでいたが、この病は鬱病に似ている。
ゆらりさんの慢性疲労症候群は、ウイルス感染からの脳炎と思われる。
そこからコロナ感染後に似た筋肉の痛みが慢性的かつ重篤に続くのだが、これは外面的には病気であることが分からない。
そのため仮病のレッテルを貼られたり、医師の診断が不正確だったりする。
ゆらりさんの慢性疲労症候群と比べれば鬱病は苦しさがそれほどでもないと思え、こういった視点を得られたことに驚いた。
ストレス社会に生きる人に客観的視野を与えてくれる本だと思う。
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