去る9月25日に獅子丸が虹の橋を渡りました。

 あまりにも突然なことで気持ちの整理がつかず、報告まで時間がかかってしまいました。

 獅子丸はもともとノラ猫育ちのため、正確な年齢はわかりませんが、捕獲して獣医さんに診せたところ、2~3歳くらいといわれました。それから約5年半が経っているので8~9歳くらいだと思います。

 獅子丸はずっと元気でした。一週間ほど前から奥さんと子供は実家に帰っていて、旅立つ前日は在宅勤務の僕と一日、一緒に過ごしたのだけど、何も変わったところがありませんでした。当日の朝も早い時間にベッドに上がってきて僕を起こしに来ました。

 夜、仕事から帰って、朝出したキャットフードが残っていたので寝ているのかと思いしばらくほっておきました。獅子丸は子供が生まれてからずっとクローゼットがお気に入りで一日の大半を過ごしていました。

 夜十二時過ぎに見に行くと、気配が全く感じられず、お気に入りの場所で眠るように……。

 とにかく混乱して何が何だかわかりませんでした。おそらく人間でいうところの急性心筋梗塞による突然死なんだと思います。

 獅子丸と出会ったのは、その当時、僕が住んでいた恵比寿のアパートでした。恵比寿というと華やかなイメージがあるかもしれませんが、ガーデンプレースよりも目黒側で、低層の住宅が多い地域です。日当たりの悪い一階の角部屋で、ベランダに見えるのは隣のアパートのブロック塀だけでした。その塀の上をよく猫が通っていました。

 僕はリーマンショックの後リストラに会い、非正規のアルバイトでなんとか毎日を凌いでいて、今の奥さんと交際はしていたけれど、将来はどうなるか全くわからない状況でした。そんなころ、家の前を通るネコと友達になりたくて、キャットフードをベランダの前に置いてみました。

 それからしばらくした8月のある日、僕が帰ってきて部屋の電気をつけると、にゃあと声がしてベランダのエアコンの室外機に獅子丸が降りてきました。

 再就職が9月に決まり、夜、獅子丸が訪ねてくる日々が続きました。ペット禁止のアパートだったので、ほんとうにいろいろ悩みましたが、わずかばかりのボーナスをもらったのでキャットケージを買い、寒さが厳しかった翌年の2月に捕獲しました。

 こつこつと引っ越し資金をため、結婚して今住んでいるペットと暮らせる部屋に引越し、子供が生まれてと、あっという間の6年を獅子丸と一緒に過ごしました。本当にかけがえのない大切な時間でした。

 獅子丸の四十九日に曲を作りました。生きている間に獅子丸の曲を作りたかったのだけど……。



 四十九日は過ぎたけれど、まだお骨は置いてあります。暖かくなったら神奈川県の実家の庭に埋葬しようと思っています。都会育ちの獅子丸が気に入ってくれるかわからないけれど……。

 このブログにはまだ少しづつ獅子丸との思い出や写真や動画をアップしたいと思います。