――
アイスダンスの靴は、シングルの靴とどのくらい違うんですか?
村元:
全然違います。私は初めてアイスダンス用をはいたときは、本当に滑れなかったです。
靴のエッジが短い分、シングルと重心が違うんです。後ろも短くて、シングルよりも全体的に短いので、バランスもどこに重心をおけばよいのか…。
エッジの長さも違うし、トウ(ピック)も小さいし、生まれたての小鹿みたいな状態でした。
またスピンはアイスダンスの場合、2人でやるので重心が自分の中ではなく、2人の間にあるのでそれを探るのがとても大変でした。
高橋:
靴の違いというのは、僕の場合はあまり感じなかったけれど、トウピックがないのはちょっと苦労しました。
滑ること自体はそんなに変わらなかったのですが、ツイズルのやりにくさに驚きました。
ブレードが短いので早く回っちゃう。短いので逆にやりやすいだろう、簡単にできると思っていました。
こんなにもバランスが難しいのかと…。ぐっと重心をかけると、全部早く行っちゃうんです。
自分が思っている感覚より早くグーッとカーブしてしまう。
ダンススピンは本当に苦手で慣れるのに1年半くらいかかりました。
靴はすぐ慣れたけれど、スピンは今でも苦手です(苦笑)。
これは、選手個々にしか分からないリアルな感覚~!
シングルの靴とはブレードの形が違うんですよね。
ツイズルは(というか常に全て)2人合わせないといけない。
回る感覚がそれぞれでありながらピッタリとシンクロさせる必要があり。
トップ選手の一糸乱れぬ揃った舞いは、トレーニング、キャリア、相性の結果なんですよね。
大ちゃん、あっと言う間にアイスダンスの選手になれたのは、かなちゃんの力添えも勿論だけどスケートでの演技という基本があり、大ちゃんの飲み込みの速さや運動能力の高さもあったんじゃないですかね?
3年でキャリアの長い小松原組に追いついたのですから。
更に続けていたら、もっと上位に行けた気がする。(けど膝の状態がありましたしね。)
村元哉中さん&高橋大輔さんが語る“かなだい”結成秘話。初めて2人で滑った日「すでにアイスダンスの靴を準備していた」 | ESSEonline(エッセ オンライン) (esse-online.jp)