インナーチャイルドになる原因 7選

あなたの中にインナーチャイルドがいるのは、子ども時代に自分の感情を自由に表現できず、我慢したり周囲を優先させたりしてきたからです。そうなってしまった原因は、家庭や学校の環境にあります。

インナーチャイルドの辛い記憶は、自己防衛のためにあいまいです。これからインナーチャイルドと向き合うためにも、どのような原因で生まれるのかを知って、自分に当てはまる部分がないかを考えていきましょう。

1. 虐待やネグレクトなど劣悪な家庭環境

インナーチャイルドになる最も多い原因が、 虐待やネグレクトなど、劣悪な家庭環境です。自分に向けられたもの以外でも、子供の心に大きな傷を残します。

・自分や兄弟姉妹が虐待をされていた
・夫婦仲が悪く、家庭の雰囲気が最悪で常に気を張っていた
・夫婦間で暴力があった
・ほとんどネグレクト状態で、親に関心を向けてもらえなかった
・鬱などで親の精神状態が悪く、家の中がいつも酷い状態だった


上記は一例です。子どもにとって、家庭は自分が生きる世界そのものです。劣悪な家庭環境は、緊張を強いて、常に「自分はどうするべきか」と、 自分がやりたいことではなくやるべきことを優先させ、自由な子ども時代を奪います。

2. 厳しいしつけや勉強の強要

厳しいしつけ

 

家庭環境が良く、親が子どもに愛情を持っていても、子どもにとって厳しい躾や勉強の強要は、時に大きなプレッシャーになります。

親にそのつもりがなくても、 「きちんとしていなければ愛されない」という恐怖心を子どもに与えてしまうのです。

そのため、家庭はのんびりする場所ではなく、親の期待に応えるべく努力を見せる場所となります。自分好みの服が親の好みと違うなら、「これが着たい」という主張も我慢することになります。

また、外でも品行方正に振る舞って親を満足させなければならないこともあります。
その場合は家でも外でも自由に振る舞えず、心に傷を残したインナーチャイルドになる原因となります。

3. 兄弟姉妹との比較

4本のなす

 

子どもは親に比較されることに敏感です。そのため、親から兄弟姉妹と比較され「あの子はできるのにあなたはどうしてできないの?」と言われたり、親の愛情に偏りを感じたりすると、知らず知らずのうちに心に傷を作ってしまいます。

「無条件に愛されたい」「自分を一番大切に思ってほしい」というのは、子どもとして当然の感情です。

しかし、親から比較されてしまうと、当然の気持ちを口に出せず、「自分はダメだ」「どうせ愛されない」と常に辛い思いを抱え、傷ついたインナーチャイルドが心の中に引きこもってしまうのです。

4. 親の多忙による愛情の欲求不満

スマホを見る母親

 

「愛情があれば、コミュニケーションの時間が短くても問題ない」と、親に向けた言葉があります。

しかし、子どもは親と多くの時間を一緒に過ごし、たくさんの愛情を感じたいと思うものです。そのため、 親が多忙過ぎてゆっくりすごす時間が足りないと、愛情の欲求不満になります。

ここで、親に「寂しいからもっと一緒にいたい」と気持ちを伝えられる子どもであれば良いのですが、親の都合を考えて気を遣い、「寂しい」「甘えたい」という 気持ちを封じ込める優しすぎる子どもは、満たされない思いを抱え込んでしまいます。

そして「子ども時代、十分に甘えられなかった」という後悔が、傷ついたインナーチャイルドの原因になるのです。

5. 人間関係のストレス

家庭内に問題がなくても、外の世界でストレスを感じれば、インナーチャイルドが傷つく原因になります。特に人間関係のストレスは、子どもの心にも大きな傷を作ります。

・友達の輪に上手く入れなかった
・グループ内で気を遣って、本当はやりたくないことでも行動した
・友達の間で板挟みになった
・コミュニケーションのすれ違いで友達から嫌われてしまった
・自分の悪口を言っている友達を見てしまった


当然ですが、子どもは大人より未熟です。善悪の区別がついているとは限りません。

だからこそ、 子ども時代の人間関係は、大人時代よりも深い傷を残します。特に多感な思春期は、小さな人間関係のトラブルでも、実は大きな傷を残していて、大人になってからも引きずるケースは少なくありません。

6. 学校時代のいじめ

学校時代のいじめ体験も、インナーチャイルドが傷つく原因になります。執拗で長期的ないじめはもちろん、ほんの一時的で、大人に相談するまでもなくいつの間にかターゲットが外れたような場合でも、心に傷を作ってしまうのです。

直接的ないじめはもちろん、無視や仲間外れなどは、まだまだ未熟な子どもにとっては大きな衝撃です。いじめをする相手の気持ちが理解できないし、傷つく自分をどうすれば良いのかもわかりません。

問題が表に出て、大人たちの介入で解決すれば、「困ったときの解決策」が経験からわかるものです。

しかし、自分で解決していじめの事実を記憶の底に沈めると、ふとした瞬間「理由もないのに突然いじめのターゲットにされる恐怖心」を思い出します。そして、対人関係への問題につながってしまいます。

7. 勉強への挫折感

勉強を挫折する女の子

 

人間関係だけではなく、 勉強などへの挫折感もインナーチャイルドの原因になり得ます。

子ども時代は、勉強によって評価が大きく左右されます。
そのため、特に勉強に挫折した経験をすると、大人になったときに「どうせ自分はダメな人間なんだ」「頑張っても無駄だ」と、無意識にブレーキをかけるようになるのです。

インナーチャイルドを癒すことにより起きる変化

笑顔の男の子

 

インナーチャイルドを癒すと、日常にさまざまな変化が訪れます。「どうしてこんなに辛い気持ちになるのか」「自分の何が原因なのか」など、 今までは原因不明だった人生の行き詰まりを感じる物事に、解決の目処が立つようになります。

今までなぜか生きづらさを抱えてきた方は、インナーチャイルドに向き合って癒せば、自分を縛っている原因から解放され、自由な自分で生きられるようになります。

しかし、インナーチャイルドを癒すには、子ども時代の記憶と向き合わなければなりません。

もしも、あなたの中に「ほとんど記憶が残っていない」という空洞の期間があるなら、自己防衛のため意識的に記憶を閉じ込めている可能性があります。
無理に思い出そうとすると、大きな傷をほじくり返してしまい、今の自分を保てなくなる危険性があります。

インナーチャイルドを癒す効果は大きいですが、 子ども時代を思い出すのに不安がある場合は、カウンセラーなど、専門家の手を借りた方が良いでしょう

インナーチャイルドの声を聞く方法

子供を抱える女性

 

子ども時代の傷を抱えている人ほど、無意識にその記憶に気付かないように振舞っています。そのため、 インナーチャイルドを見つけるのは、あなたが思う以上に困難です。
きちんとした手順を踏んで、あなたの中にいるインナーチャイルドを見つけましょう。

まずは、子ども時代の自分ではなく、自分の子ども時代を取り巻いた環境から思い出していきましょう。家族の様子、学校の友達や先生の様子など、残っている記憶から周囲の様子を探っていくのです。

思い出した記憶は、イラストや箇条書きで書き出していくのがいいでしょう。その情報の中に、子ども時代のあなたを登場させるのです。そして、周囲の状況をヒントに、 当時の自分の感情を「思い出す」のではなく「推測」していきます

これらの作業をしている内に、当時の記憶がよみがえり、あなたの中にいるインナーチャイルドを見つけられるでしょう。

インナーチャイルドの対話方法

風船の奥の子供

 

インナーチャイルドはとってもシャイで臆病です。「自分を否定される」「責められる」と思うと、すぐに隠れてしまいます。

インナーチャイルドの素直な気持ちを聞き出すには、次のような手順で対話をするのがポイントです。

1. まずは心を落ち着かせる(目を閉じるのも有効)
2. 今の自分の中に子ども時代の自分(インナーチャイルド)を登場させる
3. インナーチャイルドと向き合って対話のために心の準備をする
4. あなたからインナーチャイルドに話しかける
5. インナーチャイルドの言葉に耳を傾ける
6. 傷ついた子ども時代の自分に共感し抱きしめてあげる
7. インナーチャイルドを癒しながら対話を続けていく
大切なのは、インナーチャイルドの ありのままを受け止めること。認めたくない言葉を聞くかもしれませんが、否定せずに「そうだったんだね」と、受け止めましょう。

 

インナーチャイルドのセラピーワークの内容

本を読む子供

 

インナーチャイルドとの対話しながらセラピーを行うために、次のような手順を踏んでいきましょう。

1. 自分にインナーチャイルドがあると自覚する
2. インナーチャイルドと対話する
3. インナーチャイルドができた原因を書き出す
4. 子どものころに感じた辛い気持ちを改めて吐き出す
5. 子どもの自分と今の自分を比較して成長を認める
6. 恨みや怒りをノートに書くなど、感じ切って昇華する
7. 今の自分を自分自身が抱きしめて愛する
8. 自分が望む将来像を考える
9. 自分が望む未来を手に入れる方法を調べる
10. 具体的な行動を起こして自分に自信をつける
辛い記憶、寂しい記憶と向き合うのは苦しいですが、どれだけでも時間がかかってもいいので、一度きちんと向き合ってみましょう。あなたは過去のあなたのままではありません。 大人になったあなたがインナーチャイルドを抱きしめて愛してあげましょう

今まで目を背けていたインナーチャイルドを「あなたがいたから、今の自分がある。ありがとう」と受け入れたら、過去に縛られず、自分の未来のために生きていけば良いのです。

子ども時代とは違い、大人になったあなたは、自分で考えて行動できる存在です。何かにつまずいたときは、不安で恐がっているインナーチャイルドに「大丈夫だよ」と語りかけ、一緒に前に進んでいきましょう。

自分でセラピー・ワークを行うのが困難な場合は、カウンセラーなどプロの力を借りると良いでしょう。

インナーチャイルドカードを活用しよう

インナーチャイルドカードとは、あらゆる世代の人を対象として作られました。

カードを使ってインナーチャイルドと対話することにより、ありのままの自分、子どもの頃の純粋さ、本来の優しさや思いやりを取り戻すことにフォーカスした78枚の本格的なタロットカードです。

タロットカードの知恵と、おとぎ話の純粋さや神秘性を結びつけるものでもあります。子ども時代のおとぎ話を通して、人生の新たな洞察を発見することができます。

インナーチャイルドカードは、あなたの潜在意識を反映させたいとき、出たカードによって、現在の自分の状況を映し出してくれるでしょう。

まとめ

傘を刺す大人とこども

 

子ども時代に果たされなかった思いは、大人になった自分にまで大きな影響を与える場合があります。それがインナーチャイルドです。

しかし、大人になってからの生きづらさの原因がインナーチャイルドにあると気付くのは簡単ではありません。多くの人が、今の自分に問題があるのではないかと考えてしまいます。

「なぜか上手くいかない」「つまずいてばかりで辛い」と思ったときは、あなたの中のインナーチャイルドを探してみましょう。記憶の扉を無理にこじあけると、思わぬショックを受ける可能性がありますので、本記事でご紹介した方法で、ゆっくりと自分と向き合ってくみてださいね。