インナーチャイルドという言葉を聞いたことはありますか?
インナーチャイルドとは、「自分の中に住んでいる小さな子どものような存在」だというイメージを抱いている人は多いのではないでしょうか。
もしも、あなたが今まで「人間関係がうまくいかない」「自分が好きになれない」と悩んでいるなら、インナーチャイルドのケアをすることによって人生が大きく好転するかもしれません。
今回は、アダルトチルドレンとも関係の深いインナーチャイルドについて解説。インナーチャイルドの症状や特徴、見つけ方や対話方法、癒し方をご紹介します。
インナーチャイルドとは一体なんなのか、その症状や特徴をくわしくご紹介します。さらに、インナーチャイルドの簡単な癒し方もご紹介していますので、より充実した人生を歩むための役に立ててください。
インナーチャイルドとは
インナーチャイルドは直訳すると「内なる子ども」といい、 心の中にいる小さな女の子、男の子のことをいいます。
これは 子どもの頃に抑圧された心の一部であり、子ども時代に自分を犠牲にしたり、本来の自分を押さえ込んでいた感情の象徴でもあります。
それらは主に、ネガティブな記憶や感情を意味し「傷ついた子どもの心」を指すと言われています。
この傷ついた心を抱えたまま大人になると、仕事や人間関係に影響を及ぼすことがあります。
インナーチャイルドと向き合うことで、本来の自分と出会うことや、生き生きとした感情を取り戻すことにも繋がります。
インナーチャイルドと心理学の関係
インナーチャイルドとは、 心理学から生まれた言葉だと言われています。日本には1980年ごろに入ってきた比較的新しい言葉なので、認知度はまだまだ低いかもしれません。
インナーチャイルドは子ども時代の辛い記憶であると解説しましたが、心理学的にはインナーチャイルドは、負の感情に限ったことではありません。
さまざまな要因から、「これ以上自分が傷つかないように」と防衛本能が働き、家庭でも本来の自分を出せず、求められる子ども像を演じたり、役割に必死に応えたりする子どもが、心理学的なインナーチャイルドになります。その中には、 ポジティブな気持ちも含まれます。
しかし、日本に言葉が入り、カウンセラーや占い師、精神科医など、心の中の問題を探るときに「インナーチャイルド」という言葉を使う人が増えたため、今の日本では「大人になった自分に生きづらさを与える子ども時代の辛い記憶」と解釈をする人が増えています。
インナーチャイルドの特徴 3選
インナーチャイルドには、どんな特徴があるのでしょうか。その中でも代表的なものを3つ、ご紹介します。
1. インナーチャイルドとインナーアダルト
インナーアダルトとは、大人である自分の基礎や基盤のことです。行動、考え方、感情など、すべてのことに責任を持ち、自分で選択をします。
絶対にこうしなければならない、というようなものではなく、間違えた場合は正せばいいし、変わることもある、という柔軟性も備えています。
インナーチャイルドの未解消の思いを満たすために他人を使うのではなく、自分の心の中にいるインナーアダルトによって、その思いを解消していきます。
その インナーアダルトがインナーチャイルドを癒すことにより、自分自身の更なる解放につながり、癒しを進めていくことができるのです。
2. 自分の居場所を求めている
インナーチャイルドはつねに自分の居場所を求めています。
感情の行き場所は、外側へ表出するか、自分自身の中に抑圧するかの、二つしかありません。
子ども達は外側へ表出しようとしますが、たいていの怒りや悲しみは社会に適応するために抑圧してしまいます。
そして、その抑圧されたインナーチャイルドの感情は、つねに居場所を求めているのです。その 感情を解放するには、自分自身でインナーチャイルドの声を聞くことが大切です。
情報が多い中で、自分のインナーチャイルドの声を聞き、それを認めてあげることで、インナーチャイルドの感情に居場所を与えることができるようになります。
3. 愛してほしいけれど自分をさらけ出せない矛盾
ネガティブなインナーチャイルドを心の中に持つ人の多くは、その 本音をさらけ出せないことに苦悩しています。本音を人と共有できないことは、人を孤独にします。
インナーチャイルドは、愛を渇望しているのと同時に、人にありのままの気持ちを伝えられず、アクセルとブレーキを同時に踏んでいるような状態なのです。
しかし、大切なのは、本音は自分が知っていればいいということです。
本音を何でもかんでも伝えて、自分をさらけ出し続ける方がいい、というのは世間のセオリーにすぎず、それが全員に当てはまるとは限りません。
苦しさの原因は、自分をさらけ出せないことではなく、自分でありのままの自分を認めていないことなのです。
インナーチャイルドが傷ついていると起きる症状チェックリスト
あなたの中のインナーチャイルドがどれほどの影響を与えているのかを測るチェックリストを作成しました。
次の質問に「はい」か「いいえ」でお答えください。「はい」が多いほど、インナーチャイルドは今のあなたの生きづらさと密接に関係しています。
・本当の自分を見せるのがこわい
・根拠なく人に嫌われるのではないかと恐怖心がある
・周囲の目を過度に気にしてしまう
・自分の気持ちより周囲の要求を優先させてしまう
・人から求められるとすごく嬉しくて尽くしたくなる
・「完璧主義者」「理想が高い」と言われることが多い
・批判や叱責をされるとなかなか立ち直れない
・自分にノルマを課し追い詰めてしまう
・あいまいな状態が苦手
・ネガティブで不安感が強い
・なかなか人を信用できない
・ちょっとしたことですぐにイライラしてしまう
・すぐ人のせいにしてしまう
・侮辱に敏感だと思う
・人間関係の悩みが多い
・将来に希望が持てない
・自分が何をやりたいかがわからず、自分軸がない
・器用貧乏で、なんでも中途半端に終わってしまう
・自分からヘルプ発信ができずがんばり過ぎてしまう
インナーチャイルドが傷ついている人の恋愛傾向
インナーチャイルドは恋愛にも大きな影響を与えます。
子供時代「愛されなかった」「認めてもらえなかった」「自分らしく振る舞えなかった」という悔いを、恋人で解消しようとしてしまいます。具体的には、 無償の愛を恋人に求めます。
恋人に愛されることで、自分の存在価値を認めようとしてしまうのです。
そのため、非常に恋愛依存に陥りやすくなります。愛情表現も極端で、恋人に無理難題を押し付けて困らせたり、強い束縛をしたりするケースもあります。また、恋人が途切れないよう、二股やキープをするタイプもいます。
恋愛がうまくいっているときは良いのですが、恋人とトラブルが発生すると絶望的になり、失う恐怖心に取り乱すこともあります。
そして、実際に恋人が離れていくと、インナーチャイルドの辛い気持ちに襲われ、更に自分を傷つけてしまうのです。