<小田原城 2020年9月>
小田原城を訪問。ここは既に数回訪問しているのですがリニューアルして奇麗になった天守閣が好みです。今回は天守周りだけでなく1kmくらい離れたところにある大堀切と呼ばれる遺構まで行ってみました。大堀切ってよくわかってないのですが要は敵が途中で進めないように尾根をびしっと切ってV字型のように堀を作るというような理解です。何百年も前のものですが当時の地形が未だに残っていて迫力を感じます。V字型の底を歩いてると上から弓や鉄砲で狙われそうな感じも・・。地形もうねった感じで木も斜めに生えているのが迫力あります。難攻不落と言われた理由が垣間見えるような気がします。あの戦の天才の上杉謙信でも落とせなかったお城です。
このお城は北条五代のお城ですがここに拠点を築いたのは二代目の氏綱の時で創業者の北条早雲は伊豆の韮山城を拠点としていました。早雲は諸説あるのですが伊勢家という名家の生まれで伊勢盛時といい今川氏に嫁いだ姉を助けるため駿府に。その後伊豆に来てどんどん版図を東に広げたわけですね。この小田原城は元々、大森氏の居城だったのですがある時、早雲が乗っ取ってしまった。そして五代かけて関東に一大勢力を広げたわけですね。北条という名前に変えたのは氏綱の時からで伊勢一族はよそ者だったので現地に馴染みのある鎌倉時代の北条氏の名前をつかった説、或いは配偶者に北条氏の末裔がいた説などあるようです。ともかく氏綱も堅実だったし3代目の氏康も非常に優秀だったようです。今の会社経営になぞらえると初代のいいつけを守って堅実経営をモットーとしながら勢力拡大にも果敢に挑戦するエクセレントカンパニーという感じでしょうか?北条早雲は小説は色々あるのですがなぜか映画やドラマにはほとんど取り上げられていません。是非大河ドラマでやってほしいです。ファンなので何冊か小説を読んでいるのですが、推薦する本は司馬遼太郎の「箱根の坂」そして最近では伊東潤の「黎明に立つ」そして富樫倫太郎の「北条早雲」なんかが読みやすくておすすめです。あと漫画ですが「新九郎奔る」ってのも面白いです。
さて栄華を極めた北条氏もついに豊臣秀吉に包囲され最期を迎えることとなります。難攻不落の小田原城ですがまわりをぐるっと囲まれて本腰入れて城や街めいたものを作られて持久戦になるともうだめですね。普通、城攻めの場合は長期でも城内で粘れば援軍が駆けつけるとかで危機を脱するケースが多いのですがもう全部、秀吉に下っちゃってあの伊達政宗までも秀吉の傘下に入り味方がゼロ。最期まで粘っちゃったのが仇になったようです。現代の業界勢力図でもM&Aの再編で早くやらないと組むところがなくなって最期になっちゃうともう負け組ですよね。そんな感じで最期は全面降伏し城主の氏政は切腹。息子の氏直は一命を許されるのですがその後若くして逝去。五代の北条氏はこの世から消滅してしまいました。
さて小腹も空いたので小田原で何か食べようかと思ったらかまぼこ通りというのがあり、いくつかのかまぼこ屋さんがありました。まあぽつぽつ店があるという感じですが。その近くに「小田原おでん」という店があり有名らしいので寄ったのですが予約で満席。テイクアウトがあるというので家にもって帰って食べました。見た目は何の変哲もないおでんですが出汁が薄味で上品。練り物も具が凝ってて凄く美味しかったです。次回はお店で食べてみたいですね。