<鉢形城訪問> 2020年10月

埼玉県の鉢形城跡を訪問。昔の建物は何も残っていないのですが広々とした丘陵のようなところに柵や石垣が張り巡らされなかなか壮大な光景でした。何となく戦国合戦シーンのロケ現場に来たような感じです。幾つかの段差、堀の跡が風景にアクセントを持たせ全体的に迫り来る敵に「さあ来い」というような壮観さを感じます。ここは昔で言うと武蔵国に位置し一見、なだらかな丘陵に見えるのですが後ろは荒川、しかも断崖になっています。まさに天然の要害と言えるのでしょうか。

このお城は戦国時代の黎明期に関東管領の家宰をしていた長尾家の長尾景春という武将が建てたと言われており、この人は跡目相続問題で管領に叛旗を翻し、以降、徹底的に関東各地で戦闘を行ってきた下克上の元祖みたいな人。その徹底ぶりは映画「仁義の墓場」の渡哲也、「三国志」の呂布のようなイメージです。興味のある方は伊東潤の「叛鬼」という小説をお読みください。このお城はその後、紆余曲折があって北条氏のものとなり北条氏康の四男である北条氏邦が守ってきたのですが秀吉軍の小田原攻めの際、さすがに持ちこたえられず落城したという経緯を持ちます。


城主が変わっても鉢形城は戦略的重要拠点だったのか維持されてきました。言って見れば今の時代に工場とか物流センターを作る時、市場性、仕入れ物資の調達、空港及び港湾地区からの利便性に気を遣うように、この地に城を築いたのは見事な着眼点かもしれません。しかし考えてみれば昔は江戸城のある今の東京なんかよりもこの鉢形城とか川越城とか埼玉の各地が関東において非常に重要な土地だった訳ですね。ダサイタマなんて言われずに自信を持ってPRすべきだと思います。お城の横には鉢形城歴史観というのがありバーチャルの城探訪とかたまたま戦国時代の鎧兜展をやっておりこれで200円はお得。


 

さて小腹も空いたので店を探したのですがお城の近くは全く見当たらず。近隣の寄居駅まで行きネットで探し、創業100年というお店があったので訪問。失礼ながらちょっと鄙びた外観で小さい店と思われましたが座敷もあって奥行きが広くてびっくり。メニューの種類は少なく、一押しのカツ丼を注文しました。カツを揚げているジュージューという音に生唾ごくり。いわゆるソースカツ丼という感じでご飯の上はカツのみ。カリッとした感じで美味しくいただきました。どうやらこの界隈は豚の味噌漬けが有名なようで幾つかお店がありました。生肉は持って帰るのが不安だったので焼豚を購入。これも美味しかったです。普段あまり知らない土地にこんな名所旧跡があり土地の自慢の食べ物があるんだなあと改めて感心しました。