久しぶりに映画「レインマン」を観ました。

 

以前に観たのは大学生の頃だと思います。

 

それから長い年月が過ぎ、障害児を育てながらの日々の中で改めて観ると、とても新鮮でした。

 

私の子供は最重度の知的障害があるので、ダスティン・ホフマン演じるレイのように言語でのコミュニケーションをとることができません。

 

しかし、障害の程度は違うものの、トム・クルーズ演じる弟が最初は兄のレイのことを理解できずに戸惑う姿は強く共感できます。

頭では相手に障害があると理解していても、意思が通じないもどかしさや孤独に耐えられなくなり、つい感情的になってしまう・・・。

 

ただ、作品でもそうでしたが、濃密な時間を共に過ごすことで、言語外のコミュニケーションを重ねることができ、相手への情がわいてきます。

それは映画の中だけの綺麗事ではなく、私の経験からもそう言えます。

 

一方で、やまゆり園の事件に象徴されるように、障害者のおかれた状況は決して理想的なものばかりではありません。

 

作品中のレイは理解ある保護者や設備の整った施設に恵まれ、歳の離れた弟とも心を通じあうことができました。

私はこの作品を観ながら、将来自分の子供にもこんな環境を用意してあげられるだろうかと思いました。

 

障害者のことを理解するのは肉親でも難しいと日々感じています。

私は親なので愛情があります。また、周囲の理解ある人達にも支えられ、何とか日常を送っています。

ただ、私の子供はおそらく一生誰かのケアを生活全般にわたって受ける必要があるでしょう。

そうしたことを考えると、この作品で描かれる兄弟愛に感動しつつも、やはり不安な気持ちも消せません。

 

レイはおそらく施設で平穏な日々を暮らしながら、時折弟との交流もあり、幸せな人生を全うできるでしょう。

自分の子供もそんな風に人生を送ってほしいと強く思いました。