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今回は、作者と読者の意識のズレについてお伝えします。
あなたにはきっと書きたいというストーリーやテーマがある
ことでしょう。
それは決して悪いことではなく、温めながら成熟させてゆく
べきものです。
しかし、読者の立場になってみますと、あなたが書きたい
作品が、必ずしも読みたい作品であるのかどうか、よく精
査してみる必要がありそうなのです。
作者といえども、読書をするときには読者ですよね。
また、読書をしない人がいきなり作者になることは絶対に
なくて、必ず読者の体験を経てから作者になっています。
ところが、作者になった途端から、なぜか読者無視の作品
を書く人が多いのです。
読者が望んでもいない方向へストーリーが進むのはまだし
も、読者としては絶対に受け入れられない事件が盛り込ま
れていたりするのです。
たとえば、
ほんの些細なことが原因で一家の没落が始まり、最後に
は一家心中という結末で終わる物語。
こんなものを好んで読みたいと思う読者はおりません。
なのに、人間の深部を描いているのだと錯覚してしまい、
陶酔すら覚える作者がいるのです。
あなたの作品は大丈夫でしょうか。