執筆に必要なプライド 3 | 小説の書き方教えます

小説の書き方教えます

現役プロの小説家「子竜 螢」が、文学賞受賞へと導きます  KEI SHIRYU 

※添削をご希望の方は、必ず「添削希望の方へ

お読みになった上で、お申し込みください。

作品の枚数もご記入願います。


文学賞突破マニュアル」をご希望の方も、タイトル

下の項目をお読みください。


今回は、コメントにて質問をいただきましたのでお答えします。




ずっと以前にプライドが執筆の質を下げている要因となって

いるとお伝えしましたが、このような質問をいただきました。



 
読者のためだけに小説を書いてやる! そのために読者の

読みやすいものにすることは言うまでもなくその他諸々の読

者配慮は徹底的に、抜かりなく!

という、とにかく読者への配慮しか頭にないプライドがあった

とします。小説を書くことにおいて、そのプライドは捨てなけれ

ばいけませんか。




いいえ、読者のために書くのだというプライドこそ尊いもので

すから、捨ててはなりません。


邪魔をするプライドとは、時間と労力とを節約できる道がある

のに他人から素直に学ばないで自力でやろうとするとか、小

説とは気高いものだから作者も気高い存在だと思い込んでい

るがゆえのプライドです。


これらのプライドは、ときとして他人を傷つけます。自分の生き

方や考え方が最高だと思うあまり、私生活においても無意識

のうちに他人を批判しているのに気付かなくなっているのです。




小説は誰のために書くのか。


自己のプライドを満足させるために書くのなら、なぜ文学賞に

応募するのでしょうか。文学賞が設けられている趣旨に反して

います。どの賞でも趣旨はちゃんと表記してあるのです。


そういう人は勝手に賞を付けて楽しんでいればいい。他人の

手を煩わす必要はありません。プロになる必要もありません。

書いた作品を自分だけで楽しんでいればいいのです。


しかし、読者のために書いている人は、入選してプロにならな

いと数多い読者が生まれません。読者が生まれませんと、読

者のために書くという目的が達せられないからプロの道に入り

ます。




難関の何々賞を獲るのもプライドのひとつの形かもしれませ

んが、前述のようにそれは勝手な言い分ですね。


なぜなら、文学賞を主催している出版社にとっては、そういう

人を褒め讃えたいのではなく、あくまでも有望な新人を発掘

するのが目的だからです。


プロとして読者へ継続的に面白くて感動的な作品を提供し続

けてくれる人を探すのが目的なのですから、目的違いのとこ

ろに応募しても入選はさせてくれないでしょう。


自己のためのプライドで固まっている人は、既存の文学賞に

は合いません。それこそ自分で何々賞を作り、自分だけが応

募して大賞に輝き満足していればいい。




読者のために書く事しか考えない。


すばらしいではありませんか。


自己のプライドで凝り固まっている人と読者のためのみしか

考えない人。


どちらも出版社の人間は即座に見抜きます。もちろん、選考

委員の諸先生方にも簡単に見抜かれてしまいます。作品を

読めばわかってしまうのです。


前者は論文になり、後者はちゃんとした小説を書くからですね。




回答は以上ですが、ご理解いただけたでしょうか。