シノプスを舐めてはいけない | 小説の書き方教えます

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今回は、シノプスの書き方についてです。




シノプスとはあらすじのこと。梗概と表現することも

あります。


大概の文学賞では応募の際にシノプスの添付を義務

付けているのですが、何のためかわかっていない人が

おられるようですね。


知らないと損をします。


いいえ、それで当落が決まるほどの死活問題なのです。




シノプスは、一気に多くの作品を読まなくてはならない

選者のために添付するのです。


一人の選者が30作品を読んで5作品程度を残す一次

選考だとしますと、全部読み終える頃には最初に読んだ

作品の内容なんて忘れています。覚えられないのです。


だから、シノプスを読んで思い出そうとします。


しかし、シノプスの書き方が悪いと、正確に思い出して

もらえず、良い作品だったにもかかわらず、残してもら

えない可能性が生じるのです。


死活問題だという意味がわかってもらえるでしょうか。




だとしたなら、好印象をアピールするシノプスを書かない

といけないわけですが、理解していない人は本当のあら

筋のみを記載してしまうでしょう。


作品本編の執筆にばかり気を取られて、シノプスを付け

足しのように考えていますと、痛い目にあいますよ。


シノプスを舐めてはいけません。本編よりもずっと上手

に書けば、残してもらえる確率がグッと高くなるのです。




では、好印象のシノプスとはどんなものなのでしょうか。


ズバリ、事が起きるところから書きます。それ以前の平穏

な場面などは端折ってしまいましょう。


とにかく、目立つ場面から書きますと、選者が思い出す

手助けにもなるのです。


もっとも、本編でも何事も起きないのであれば、論外です。

純文学といえども、失恋や急病や危篤など、何かが起き

ませんと印象的な物語にはなりませんからね。




シノプスを書くコツとしては、本編と文体を変えることですね。


「です」「ます」が本編なら「だ」「である」にしましょう。一見、

選者が思い出すには矛盾したように思うかもしれませんが

さにあらずです。


文体の違いによって、いかようにでも書けることをアピール

するのです。それが好印象を得る秘訣ですね。


とにかく、本編の中のどうでもいいことはあえて書かず、発生

する事件や事故などをことさらに誇張して書き連ねます。


そういうものの連続のシノプスですと、もう一度本編を読みた

くなるでしょう。選者とて人間なのです。