歴史的新事実の扱い | 小説の書き方教えます

小説の書き方教えます

現役プロの小説家「子竜 螢」が、文学賞受賞へと導きます  KEI SHIRYU 

※お待たせしました。タイトル下の5つのコンテンツが

ご利用いただけるようになりました。



当ブログは小説の書き方について述べている

ものですが、小説を書く人も書かない人にも、

か参考になればと考えております。


今回は、歴史的新事実についてです。




子竜のような歴史小説家がもっとも困ることの

ひとつとして、新事実の発覚があります。


これまでの定説だったことがひっくり返るような

発見など、結構あったりして困惑させられます。


しかも、それが一般的に広まっていないとき、

旧説をもとにするか新説でゆくかと悩まされ

ますね。




太平洋戦争中、ミッドウェー海戦での運命の5分間

というものがあります。


詳しい説明は省きますが、爆弾から魚雷に積み替え

ていた間に、敵から先に攻撃を受けて味方が壊滅

してしまったというものなのですが、あと5分あれば

というのが定説となっていました。


しかし、20年以上も前に澤地久枝さんが航海日誌

などから検証したみた結果、積み替え作業などして

いなかったことが判明しました。


でも、以後も戦史の本が書き換えられることはなく、

当時の乗員たちの証言をもとに旧説が支持され続け

ているのです。




子竜も澤地さんの検証を辿ってみたのですが、検証

は間違いがなく、積み替え作業などはしておりません。


しかし、その説をもとに書いたとしても、受け入れてく

れる出版社も読者も、おそらくはいないでしょう。


こういう厄介な歴史的新事実は、とくに戦時中のもの

が多く、胸に秘めたままだったものが、高齢ゆえに世

に残したいという戦争体験者の方が出てくるからです。




ほかにも、聖徳太子の架空人物説やヒトラーの南米

逃亡説など、新証言が続々と出てきました。


とくにヒトラーの場合は写真まで掲載されて、世界が

あっと驚いたにもかかわらず、ベルリンの総統官邸

地下室にてピストル自決したことから変化はありません。




まあ、真面目な歴史小説を書くのでしたら旧説を。

エンターテインメント的な歴史小説なら新説を、と

いったところでしょうかね。


執筆、頑張ってくださいね。