日進市の東部保育園と東部福祉会館のあるあたりに米野木城があったとされています。東部福祉会館の敷地内に「米ノ木城」の石碑が立っているのですが、正確にどの場所がお城だったのかはわかっていないようです。

地籍図では一応方形館状の区画が読み取れるとのことですが、現地に立つともう何が何やら。そもそも地籍図と今の道路割がほとんど一致していない（いやむしろ中途半端に一致している）ので、地籍図上の区画がどのあたりを通っているのかすらもよくわかりません。ただその境界線と思しきところに今も一条の水路が通っていますので、もしやこの水路がかつての城域を画するものであったかもしれない、とは思いました。

境界線かなあ

米野木城は、「尾張志」によれば東西16間（約29m）、南北14間（約25m）なのだそうです。ずいぶん小さいですね。現地でさんざん悩みながら辿った地籍図上の区画は東西南北ともに「尾張志」に記載された２倍はあるようで（つまり面積は４倍）、どちらかを疑ってかかるしかありません。「尾張志」の全てのスケールが正しいとの保証はないのですが、ひとつ前に見てきた藤枝城のスケールは概ね「尾張志」の通りだったことを踏まえると、米野木城は地籍図上の区画のごく一部を占めていたに過ぎない、ごくごく小さな砦だったということかもしれません。それでも今どきの一般的な住宅よりはるかに大きいわけですが（そりゃそうか）。
米野木城は、丹羽氏の砦との認識がなされていたようです。大雑把に言えばここが丹羽氏の支配エリアの東限にあたり、その東限を守るための砦だったと考えるのが妥当でしょう。この地には熊野大権現が祀られ、小さいながらも門前市となっていたようですから、門前市が中世にまで遡ることを前提とするならば市を管理・監督する役割も担っていたのかもしれません（金と物資が集まる「市」は重要な資金源でしょうから）。記録が少ない分、想像するのは自由ですので、現地の地形を眺めながら、どのあたりにお城があったのかと考えながら歩くのも楽しいと思います（住宅地なのであまりじろじろ見てあるかないようにご注意ください）。

米野木城（城をやる）

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家康VS秀吉小牧・長久手の戦いの城跡を歩く

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【米野木城（愛知県）】ごくごく小さな砦だったと記されている