阿藤快さん、のこと。 | 常盤司郎オフィシャルブログ「映像監督のブログ」 by Ameba

阿藤快さん、のこと。

阿藤快さんが亡くなられた。



監督した「99%の自殺」という映画に出演して頂き、その時はほんのすこしの出演だったけれどすごく重要な役だった。阿藤さんはサラリと脚本を読むと「ねぇ監督、これって作品の肝だねぇ。とくにこの台詞」と嬉しそうに目を光らせ、ほんとうに素敵なお芝居をしてくれた。そして帰り際に玄関で話してると録音部さんに苦い顔をされ(なにせ囁きでも音を拾うのが録音部の仕事だから)、阿藤さんは少し照れくさそうな顔でそそくさとその場を立ち去った。それが阿藤さんとお会いした最後だったと思う。随分前のことだけど、ぜんぶ大切な思い出だ。

映画もそこに映る役者さんもずっとずっと残り続ける。声も表情もお芝居の熱も…。それがこの仕事のやり甲斐のひとつなのだと思う。

阿藤さん、本当にありがとうございました。