前回、前々回とリハビリ病院地獄バナシ(笑)が続きましたが

楽しい思い出もけっこうあるので、今日はそちらのほうを。



昨日の記事に書いたように、高齢者患者の方々はけっこう粗雑に扱われていましたが

退院しても行く先がないからと、ガマンする方が多かった。

でも、一人だけ果敢に(?)看護婦さんに抗議していたおじいさんがいました。

名前はデロデロおじいさん(勝手に命名)。

抗議、といっても、彼の場合は麻痺のためうまく話せないので、態度で示します。

それは、車椅子からデロデロとずり落ちて、看護婦さんの手を煩わせる。という方法。

本人は「あ~」という声を出していかにもずり落ちちゃった!

みたいな演出をしていましたが、周囲にはバレバレ。

バレバレだからといって、駆けつけないとどんどんずりおちて廊下に寝そべられることに

なるので、看護婦さんは仕方なく駆けつけて介助。

これを、1日に5回くらい目撃しました。

「んも~、○○さん!またわざとやって~」

「忙しいんだからカンベンして!」

などの看護婦さんの文句を、見事に聞き流し涼しい顔をしている

デロデロおじいさん。ウワサによると彼には身寄りがなく、よって、

退院のめどがたたないとのこと。お見舞いにくる人もほとんどいない

デロデロおじいさんは、自分の境遇を、

ちょっと特殊なカタチで主張していたのかもしれません。

でも、決して偏屈な老人ではなかったので、私は好きでした。

リハビリのために廊下をぐるぐると歩き回る私と

ストレス発散のため廊下でデロデロとずりおち続けるおじいさんは

やがて顔なじみになり、挨拶を交し合う仲になり、

そのうちリハビリ訓練もご一緒するようになりました。

次回はそのリハビリ訓練について書こうと思います。