著者: 岡嶋 二人
タイトル: クラインの壷

私はミステリーの中でも、人が殺されたり、犯人を見つけたりっていうものより、心理ミステリーや、物語として、先を読みたくなるようなものが好きです。

この「クラインの壺」はまさに、私のツボにはまりました。
かなり古い作品ですが、今読んでも古さを感じさせないと思います。

あらすじをアマゾンより転載しました。

ゲームブックの原作募集に応募したことがきっかけでヴァーチャルリアリティ・システム『クライン2』の制作に関わることになった青年、上杉。
アルバイト雑誌を見てやって来た少女、高石梨紗とともに、謎につつまれた研究所でゲーマーとなって仮想現実の世界へ入り込むことになった。
ところが、二人がゲームだと信じていたそのシステムの実態は…。
現実が歪み虚構が交錯する恐怖。


現実の世界と、架空の世界が交差しながら、物語は進行します。
読んでいるうちに、段々と現実なのか、架空なのか分からなくなり、背筋が寒くなるような空恐ろしさを感じました。

結末に関しても、私は面白かったと思います。
ヒントを少しだけ見せて、読者に結論をゆだねるという雰囲気が、上手いな~と思いました。

読み始めたら先が気になって、本を閉じられなくなるかも!