shiromiyuのブログ

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来週フジテレビ土曜プレミアム(2014年12月20日 21:00~23:30)で万城目学原作の『プリンセス・トヨトミ』が放送される。



CMを観た私は、久しぶりに万城目作品との奇跡的出合いを思い出さずにはいられない。

出合いは2006年空港の書店。
研修を終えて、帰りの飛行機の出発まで余裕があった私は、保安検査場の近くの書店に入った。思っていたよりも移動時間が長く、持ってきていた本を早々と読み終えてしまったのだ。

文庫コーナーに立ち止まり本を探す。通路は狭く、立ち止まって探していると後ろを通る人は身を捩らなければいけない。天井からはずっと早口なアナウンスが流れている。そして誰かの鞄が背中にあたる。これで3度目だ。早く本を探し出して、出よう…そう思って壁に敷き詰められた本から探し始めた。

左から右へ、端に来たら下の段を右から左へ本の背表紙を見る。ピンと来たら引っ張りだし、帯や裏表紙の序文を見て気になれば購入。結構な速度で物色していたので、私の視線は一瞬「・・ホルモ・」という題を捉えそのまま左に通過した。遅れてホルモン?と頭の中に点滅するクエスチョンマーク。気になって戻ってみると題は『鴨川ホルモー』。そんな流れで万城目学の名作を私は手にすることになる。

ホルモーという聞きなれない単語に違和感を拭えないまま裏表紙を見る。なかなか面白そうである。よし、これにしようと思い、会計待ちの列にに並んだ。待ちながら表紙に視線を落とすと大きく赤と黒で書かれた題『鴨川ホルモー』。妙に恥ずかしさが込み上げたのを覚えている。

その後、読んでみると相当に面白い。少々マニアックな主人公の人柄にも案外共感してしまう。出てくる登場人物も期待を裏切らない。ページをめくる度に万城目ワールドに引き込まれていく。何よりストーリーの結びは圧巻だった。友情あり、恋愛あり、成長あり、これぞ「ザ・青春ストーリー」代表!心の中では鳴り止まぬ拍手からのスタンディングオベーション。
感動冷めやらぬまま本を閉じる。私は感慨深く本を眺めた。詳しく言うと表紙を眺めた。本を読み進めながら親しんだはずのニューワード“ホルモー”だが、そのネーミングは残念ながら受け入れ難いままだった。ストーリーの中では妙ちきりんではあるが歴としたスポーツの名前なのだが。友達に紹介する時だって恥ずかしい。へ?なに、ホルモー?と聞き返す友達も口元が緩んでいる。毎回この出だしのくだりがほんとに長い。内容の説明まで至らないこともしばしば。

しかし。空港の書店で早口のアナウンスと何度も背中に当たる鞄に急かされながら、この名作に出合えたことを振り返ると、このくすぐったいような何となく恥ずかしい題名のおかげだと思い直すほかない。

(追伸  『鴨川ホルモー』は2009年に実写映画化されていますが私は断然本をオススメします。じかに万城目学の躍動的とも言える活字を多くの人に体験してほしいと思ってやまないのです)

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