城メグvol.60/宇和島城 | しろくろジョーカー公式ブログ

しろくろジョーカー公式ブログ

ブシモで配信するスマートフォンアプリ「しろくろジョーカー」の公式ブログです。

こんにちは。城メグリストこと萩原さちこです。
宇和島城へ行ってきましたよー。





松山から特急宇和海に乗って、1時間ちょっと。
途中、伊予大洲駅を過ぎたあたりから大洲城が見えます。





宇和島に到着。
宇和島は大和田建樹の生誕地なので、駅前にSLがあります。





ちなみに和霊神社近くの公園にもいます。






宇和島城は現存する12天守のうちのひとつ。
天守だけがぽつんと残るような城に思えますが、石垣ファンにはたまらない貴重な石垣が魅力!





この城は、築城名人として名を馳せた藤堂高虎が、まだ築城名人として頭角を表す前につくった城なのです。
簡潔にいうと、築城年代からすると先駆的な石垣が残る城=古い石垣が残る貴重な城、というわけです。


私が好きなのはココ、藤兵衛丸の高石垣。
算木積みという隅石の積み方もままならず、古めかしさにシビれるー!
高虎時代に築かれた石垣です。





藤堂高虎がつくった城と語られてしまう宇和島城でますが、高虎がつくったのはいわゆる骨組みの部分のみ。
現存する天守をつくったのは後に城主となった宇和島伊達家2代宗利です。







ですから、天守入口の唐破風には伊達家の3つの家紋(竹二雀紋、九曜紋、竪三引両紋)が見られます。


竪三引両は、源頼朝から拝領した伊達家のいちばん古い紋。
九曜は細川家のもので、伊達政宗が気に入り所望したものです。
竹二雀紋は、伊達家ではおなじみですが、よーく見ると仙台笹とは微妙に異なる宇和島笹です。





宇和島伊達藩は、ご存知仙台藩主・伊達政宗の長子・秀宗が藩祖。
宇和郡10万石を拝領し1615年(元和元)に入城します。
伊達秀宗はちょっと切ない生い立ちの人。


4歳のとき人質として豊臣秀吉のもとに送られ、順風満帆の少年時代を過ごすも、秀吉の死により暗転。
関ヶ原合戦の直前は石田三成の命令で宇喜多秀家の屋敷に監禁されるも経験します。
天下の形成が徳川に傾くと、秀吉のもとで育った秀宗の立場は微妙なものに…。
すると政宗は、12歳の秀宗を今度は徳川家の人質に出されました。


こんな人質人生を送ったにも関わらず、さらなる悲運が。
秀宗は政宗の長男なのですが、側室の子であるため仙台伊達家の家督は弟の忠宗が相続するのです。
か、かわいそう…。
そこで政宗は、徳川家康にうまく掛け合って独立した藩として宇和島伊達藩を新たに認めさせ、秀宗に与えたのです。


ですから、分家ではなくれっきとした藩なのですよー!
以後、宇和島伊達藩は幕末まで続きます。







で、宇和島城の天守。
そんな背景があり築かれたのは1671年(寛文11)です。
ですから、宇和島城天守は太平の世につくられた平和な天守。
ひと言で表現するならば「日本でいちばんピースフルな現存天守」です。





よく見ると、狭間も石落としもついていません。
破風という三角形の出窓のようなものも、ただの飾り。
姫路城や彦根城、松山城や松江城などの天守では破風の内部を攻撃スペースとして活用していますが、宇和島城天守はそれが一切ありません。
つまり、見映えをよくするための完全なる装飾のための窓です。





天守内部は御殿のようなしつらえ。
内部での銃撃戦など想定していないため、武骨さがありません。
よく見ると、柱もていねいに処理され、おしゃれに加工です。





かつての城は宇和海に囲まれ、突き出すように築かれていました。
この写真に映っている建物のあるところはほぼ海、といえます。
本当に、宇和海に浮かぶ城だったのです。
絶景だったでしょうねー!






さて、宇和島といえば宇和島鯛めし。
松山の鯛めしは炊き込みごはんですが、宇和島鯛めしは違います。
鯛が新鮮だからこそ味わえる逸品。
鯛のコリコリ&ぷりぷり食感と、甘く濃いうまみがたまりません。





今回はふぐもいただいたのですが、宇和島のふぐ刺しは薄造りではなく厚造り。
キモをお醤油に溶いていただきます。
このキモがおいしい!






宇和島は自然豊かなところで、景勝地もたくさんあります。
私が好きなのは、遊子水荷浦の段畑。
岬の急傾斜面に、幅・高さ1mほどの石垣がはるか山頂まで雛壇状に積み上げらげられています。
壮観な造形美と眼前に広がる宇和海の美しさは圧巻。
夕暮れ時には空と海がピンクのグラデーションで彩られ、うっとりするほどきれいですよ。
「国の重要文化的景観」にも選定されています。





宇和島市立伊達博物館で、伊達にゃんよと。




城下町づくり。天守から築城スタート。




では、今週はこのへんで。
来週もよろしろ~。


萩原さちこ(城メグリスト)



■アプリのダウンロードはこちら!

しろくろジョーカー