城メグvol.7/彦根城 | しろくろジョーカー公式ブログ

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こんにちは。城メグリストこと萩原さちこです。

お仕事のため、2周連続で彦根へ行ってきました。
そこで、何度行ってもすばらしい彦根城をご紹介しますよー。




最大の見どころは、なんといっても現存する天守!
高さは約21mと小さくつくりも古式ながら、スタイリッシュなデザインが魅力です。




さまざまな種類の破風(△の装飾窓)が絶妙なバランスでたくさん配されていて、なかなか凝っています。
彦根城天守でしか見られない破風もいっぱい。サイズもデザインも違う破風が大きさや奥行きに変化を与えています。
鐘のようなデザインの華頭窓は、本来は寺社建築に用いられるもの。それが二重目と三重目に連続しているのも彦根城の天守だけ。格式の高さがうかがえます。




梁行に対して桁行が長い長方形をしているため、南・北面はどっしりと、東・西面はきりりと端正に見えるのも特徴です。
私はこの角度がいちばん好き。





さてさて、彦根城ならではの珍しい建物が、こちら天秤櫓です。
天秤のように、左右に2つのニ重櫓がくっついています。この二重櫓の屋根の向きが左右で90度違うのもポイント。石垣の積み方も、左側は江戸後期の修理のため新しいものになっています。




大手道を登り切ると、右手に天秤櫓門が見えてきます。




さて、ここで天秤櫓の前にかかる、太鼓丸と鐘の丸いう2つのスペースの間にかかる橋に注目!
私たちは、橋の下をくぐって3度左折を繰り返し、橋の上を渡らなければ天秤櫓門を突破することはできません。高速道路のジャンクションのように立体交差する、めんどくさい構造です。
実はこの橋下の通路、たまたまあった道なのではなく、人工的に掘った大堀切というのがスゴいところです。もともと平地だったところを掘り下げているのです。
鐘の丸は意図的に独立分離させて、本丸側の天秤櫓との両方から通路の敵を挟み撃ちするという戦法です。
そしてこの橋、いざというときは壊して敵の侵攻を阻止することもできます。

すばらしき設計の妙!彦根城は整備されていて歩きやすい人気の城なのですが、実はものすごく戦闘的なのが特徴です。



天守も、実はかなりファイトモード。
おしゃれな外観とはうらはらに、内部は実戦仕様です。
矢狭間や鉄砲狭間と呼ばれる攻撃用の小窓を75か所も設置し、戦うことを想定しています。
しかし、美観を損なわずに実用性を高めているのが、彦根城天守の素晴らしいところ。外から見えないように塞がれた隠し狭間なるものもあります。外側を漆喰で塗り固めて、いざというときだけ、ふたを破壊して使います。
最上階には、隠し部屋という秘密の小部屋まであるんですよ。




さてさて、彦根城下町をつくってみましたよー。


 

ポイント① 佐和口多聞櫓
彦根駅から彦根城に向かった場合、いろは松という通りの先に重要文化財の佐和口多聞櫓があります。
(写真手前ではではなくて、向こう側。天守に向かって道路の左側です)。
こんなふうに、二重や三重ではなく長屋のように細長い櫓のことを多聞櫓といいます。




彦根城の隠れたレアスポットが、馬屋。
その名の通り、馬を置く場所なんですけれど、実は城に現存する例としては全国唯一です。




ポイント② 玄宮園
彦根城の立ち寄りスポット、名勝・玄宮園です。
4代藩主直興がつくった大名庭園です。この日はお天気がいまいちでしたが、天守が借景になっていて、本当にキレイ。
時代劇や映画などの撮影にもよく使われています。




お抹茶もいただけますよー。
というわけで、武家屋敷ほたる池水車小屋などのほかに茶室も使って玄宮園を表現しました。




とくに秋の紅葉がすばらしくて、11月には「錦秋の玄宮園ライトアップ」が行われます。提灯を片手に散策できます。
…というわけで、ちょうちんと季節限定のかぼちゃ灯籠をさりげなくオン。




さて、彦根に訪れた2つのお仕事、ひとつは書籍のロケでした。
プロカメラマンに撮影術を習う、という企画。
お気に入りの撮影ポイントで記念撮影!




もうひとつは、講演のお仕事でした。
ひこにゃんにひこにゃんをプレゼントされました。
ひこにゃんは、私の住む東京と深い関わりがあります。
実はモデルは東京の招き猫で、2代藩主の直孝が、東京都世田谷区の豪徳寺で手招きする猫に落雷から救われたエピソードが由来です。
直孝は命の恩人の猫をたいそうかわいがったそう。豪徳寺は井伊家の菩提寺となり、後の大老、井伊直弼も眠っています。



ひこにゃんをもらってゴキゲンでございます。


では、今週はこのへんで。
来週もよろしろ~。

萩原さちこ(城メグリスト)