何て儚い存在なのだろう
そう思う
まるでこの穢土に生まれ落ちたばかりの
赤ん坊
みたい
澄みきった水面に不意に落ちた
そしてそのことに自ら戸惑っている
そんな風情の一片の花びらのようだ
閑話休題
健康って素晴らしいですね
心の汗をぬぐうのは
媚薬のようなお菓子かな?
そう一片の花びらみたい
ティッシュって
そう思う
いつも当たり前のように無造作に
未だ罪を知らない指先で
ティッシュのお家のお箱から
無意識に見知らぬ人が通り過ぎていく
確かなシルエットに気づかぬように
軽やかにそして時に乱暴に
ティッシュはお家から引っこ抜かれちゃう
いいの
何も言えないけれど
ひとことも発することはできないけれど
彼女や彼の汗とか血とか何かの体液を
黙って吸いとって食するのが
多分神様に割り当てられた役目だから
今日もまた
彼女や彼の肌に触れる
それがティッシュの役割だから
p.s.
生まれたての赤ん坊みたいなティッシュは
今日もまた
彼女や彼の肌に触れる


