昨年の大晦日にはこんな事があった

僕の実の弟と名乗る

実の弟が家にやって来た

いや実際、実の弟なんですけどね

それが急な来訪で

それも3年以上ぶりになるのかな

彼は普段使わない客間に置いていた大量のまあいわゆる骨董品に迷わず直行して様々なものを手に取り物色していましたよ。

「急に一体どうしたの?」

僕が聞くと彼は確信に満ちた

堂々とした態度で僕の目を見て答えました

それが全く一点の曇りもないような

素晴らしく朗らかな笑顔で

そして、声も態度も揺るぎなく

明るすぎるほど明るかったんだなあ

僕はその時思ったな

これは、お仕事モードの詐欺師だよなって

僕はその時思ったな

狂うんだよなあ人間って札束目の前に

しちゃうとね

彼はさっさと手際良くそれらを仕分けしていてね、それらはほとんど茶道具で(母が一応お茶の先生だったから)用意した新聞紙で値踏みしつつひとつひとつ、焼き物を包んでいったのでありました。

僕は何だか無性に寂しかったな

そしてその翌日、元日の空はあっけらかんと実に無邪気に快晴でありました。














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これが実話なのが

僕は心の中で笑っちゃったりしたのでした

おかしな感情だなあ