ふと思い出した。
学生の頃読んだ本。
本田勝一さんの「中国の旅」。
だっけ?
僕にとっては或意味ターニングポイントになる、読書体験だったなあ。
それまで本は普通に好きだったけど、もっぱらフィクション・小説一辺倒だったから。
この本で初めてルポルタージュの凄まじいパワーを実感して新しい世界に目を見開かされたんだっけ。
その本の中で衝撃を受けた記述ってほぼ全部だけど敢えてそこから忘れられないのは、
これかな?
本書で聞き書きされた、太平洋戦争当時に実際に体験した方々たちの言葉。
旧日本軍の兵隊の残虐な行為で、それは中国の若い臨月の妊婦の腹を彼の銃剣で縦に大きく切り裂いて、彼女の腹から胎児を抉り取り出す場面。
そしてその兵隊は彼女の腹から引きちぎった胎児を、彼は銃剣の先に突き刺して、突き刺したまま、彼は仲間たちと鼻歌まじりに愉快そうに、当たり前に歩いていたそうだ。
銃剣に刺されたままの、その胎児は真っ赤に血まみれの、その胎児は、串刺しにされた状態で、まだ動いていたそうだ、もがいていたそうだ。
こんな光景が当たり前だった、そんないつもの日だったそうだ。
もちろん酷すぎる。
でもね今の僕の実感はね、
肌にピリピリ感じるんだよね。
やるんだよなあ人間ってこういうこと。
ごく当たり前に深呼吸するみたいに。
これが僕の今の実感。
僕なりに色々体験しての、
僕の今の実感。

またふと思う。
香港とかウイグルとか、とてもひどいことになっているけど、少しでも表に出るだけましなのかもとも思う。
だって共同体の内側では、表に出さず裏で処理してしまうものね。
日常的には(もちろん日本でも)マイノリティが、普通に喉に刃を突きつけられてる。
それが現実。
だからなあ。

話は変わって、
僕は今日、病院へ行きます。
ただの親知らずの抜歯だけど、
前回スゲー大変だったんだよね。
いったい治療に何時間かかったんだろう?
いったい何回麻酔注射を打ち直したんだろう?
どれだけ、まるでトンカチで釘を抜くかのように、力任せに?肉をほじくられたことだろう?
僕は今日、病院へ行くんです。
このブログが投稿される頃には全てが終わっているはずです。
僕はその時、こちら側の川の岸辺に立っているのかな?

まあ、その後も色々色々、大変なんだろうけどね。

でもだからこそ。

またね!