重すぎる真っ赤な水塊右手に
落ちる水のない星
アトラクションへの道程が
大理石のやや冷たい空気
に濡れている猫の瞳のような静か過ぎる鏡面
苦しい吐息に覆われた
体が心が置き場のない汗の内に
楽しすぎる時間が流れが温室に住む花と石と
高すぎる青い天井に威圧されつつ微笑む誰か
そこまでが届かない
右手人差し指の襞に滲む油脂が香って散って
もういいと
言った言葉は全部嘘
まだいいと
言った言葉は少し嘘
走らないといけませんか
今走らないと駄目ですか
掌に残ってる水溜まりの中で泳ぐ
遠くなる気がする粘る樹液
甘くて辛くて隣人の唾みたいに苦くて苦い
