今日も部屋の窓が開かない

 

何で?

 

わたしは可愛いだってみんなそう言うもん

 

わたしはわたしを読んで欲しい

 

そっと優しく背表紙を撫でて

 

広げたページから一文字一文字

 

目に焼き付けて欲しい

 

それだけ。

 

ささやかな望みでしょ。

 

欲してる何が?

 

飴が舐めたい鈍重な頭が一瞬で醒めるような

 

色とりどりの

 

キャラの飴が舐めたい頬張りたい。

 

 

赤とか青とか黄色とかの信号機みたいな色の服を着ている子どもたちを横断歩道で仕切ってるジャッジ下してる。

 

いつか見たのどっかで多分

 

何でも良いのかもしれないな。

 

口に投げ込みたいの。

 

味わいたいの。

 

甘くたって苦くたってしょっぱくたって

 

別にいい。

 

いや、美味しくなくたっていいんだ

 

わたしの喉を流れてくれれば。

 

それでいい。

 

後がないでしょ

 

いつも思ってる脅迫されてる。

 

何てぼんやりしながら

 

眼前の大皿に山盛りに盛られた

 

お菓子をつまむ。

 

不味くても構わない。

 

ほんの少しだけ

 

わたしの胃袋を心を満たしてくれれば。

 

よっぽどひどけりゃ吐き出してやる。

 

わたし言わない。

 

わたしは誰にも言いません。

 

無理やり飲み込んだ言葉を煩悩を消化できる

 

そんな胃袋なんてあるのかしら?

 

それは何かの気のせいでしょう。

 

何かに気付いた錯覚でしょう。

 

部屋にでんと居座る

 

二人のお口。

 

わたしと誰かのいやもっと誰かに多分

 

弱々しい言葉の蒸気が微かに

 

窓の結露たちみたいに滑らかに通り過ぎてどっかに行っちゃう、いやそれで良いんだけどね。

 

昨夜、とても怖い夢を見た多分見た

 

それは

 

とても悲しいストーリーだった気もする。

 

その日

 

友達にすぐ話しちゃったけど

 

なんか重かった手のひらの電話

 

なんかみんなに見られてるみたいな言葉

 

言っただけ。

 

欲しかった言葉は

 

彼女の唇を素っ気なくこぼれただけ。

 

それだけ。

 

一瞬だけ満足して

 

一瞬後にはもう後悔してる。

 

何なんだ。バカみたいわたし。

 

でも、いいや。

 

とげとげしい椅子に座る居心地悪い

 

妙な安堵と何気に快感。

 

制御できない心が体にムチを振る。

 

ぶたれた馬みたく荷車揺らして走らされる

 

止まんない。

 

怖い。

 

立ち止まったら死んじゃうかも。

 

人生初体験のわたしのみんなの

 

恐怖が頭を傍若無人に走り回る。

 

毎日。

 

わたしは病に犯されてるてるのかな?

 

額が熱い。

 

燃料が燃やされて動かされてる?

 

止まらない電車に乗って終着駅は崖の下か?

 

ふと思う、分からないけど

 

でも思う。

 

崖の下に落ちるまでの持ち時間

 

ちょっと酸っぱいのになんか甘くて 

 

ちょっと苦くてなのになんか甘くて

 

ちょっと甘いの

 

黒くて甘いの。

 

わたしの時間。

 

わたしたちの時間。