して触れられない異界の存在
みんなのみんなの楽しい世界
 
一日の街のほこりをシャワーして
 
袖を通すTシャツ
 
白い布が胸に触れてるさわやかに
 
軽くなった胸元に
 
今日のノルマがひとときやわらぎ
 
明日へのグレーのかたまり胸苦しさ
 
少し少し少しづつ
 
こびりつく澱が沈んで消えて
 
夕涼みエアコンのリビングの
 
ソファに沈んで観るテレビドラマが
 
今日一日の境界領域
 
目の前に階段上る
 
わたしみたいな女の子
 
わさわさ揺れる髪の森が
 
誰かからのどこかからの
 
夏風の中に踊りだしそう
 
無言の少女
 
射す西の太陽背中にざっくり
 
無言の抗議が斬りつけて
 
颯爽と今日の夏も日が暮れて
 
今日はタピオカ飲んだし
 
かき氷食べたし
 
お肉も食べたし
 
誰にも嘘をつかないし
 
誰にも嘘をついてないし
 
今日タピオカ飲んでないかもしれないし
 
かき氷なんかも食べてないかもしれないし
 
ホントもウソもぜんぶおんなじ
 
忘れた夢はないと同じだし
 
見えなかったヒトもモノもないとおんなじ
 
見なかった聴かなかったことにすればいいし
 
心のどっかに溜まってくゴミは
 
ぜんぶ宝物だし
 
蔑んだわたしも他人もなかったかもだし
 
ベッドに沈み込むのは当たり前だし
 
毎夜の悪夢はホラー映画程度のものだし
 
誰でも生を越えて踊れないし歌えないし
 
肌に滲んだ汗もホントかわからないし
 
流したらしい涙もウソかもなんだし
 
あしたわたしはわたしのシーツを洗う