夏の 歩道

 

不意に つないだ手を

 

振りほどき

 

力 いっぱい

 

背中を 抱きしめてみる

 

ふたりの 影が 長く伸びていて

 

ふたりの 影が 薄く重なっていて

 

立ち止まれ

 

ことば は いらない

 

見ていよう 少しだけ

 

ひとしずくだけ フライパン

 

蒸発 するまで

 

ふたつの 影が 消えるまで

 

要らないよ もう ふたり とも

 

もっと 上手に 生きれるし

 

もう ふたり ふたり とも要らないし

 

無数の 影たち 追い越され

 

驟雨に 流され ちゃった

 

空の 影に 溶け込んで

 

しまえば

 

すべてが すべてに すべての

 

安らぎ なのかも

 

幸せ なのかも

 

だれの だれへの なんなのか は

 

知らない けれども