しろくまです。
今日は久々に地元のゲイバーで飲んできました。
ゲイバーは色々な人間模様が飛び交う場所で、私も漏れなくその人間模様の一部になってきました。
昔から仲良くしてくれるイケメンさんがいる。
正確には、勝手に私がタイプな方がいる。
今日はその人が地元のゲイバーのヘルプに入るということで、一緒にご飯を食べてお店に行こうとお誘いを受けた。
私が勝手に推しだと思っているイケメンさん。
誘っていただける事だけでも嬉しい。
ご飯を一緒に食べて、彼が働く飲み屋に一緒に行った。
これは一般的に「同伴」と言われるものだが、その方とは本当それだけで、別料金は発生しない。
お店に行くと、まだ早い時間で人は1人もいなかった。
ママさんは、最近オープンしたお店のヘルプに出ているようだ。
田舎の金曜日は暇な日が多い。
そんな中、カウンター越しに彼と2人で話をする。
でもそれは他愛もない話。
暫くして友人も飲みにきて、ママさんが帰ってきて4人でワイワイしながら酒を飲んだ。
彼には、長く付き合っている彼氏さんがいる。
朝方彼が買える時、彼の彼氏さんは何時でもあろうが迎えにくる。
羨ましいカップルさん。
私はただそれに憧れているだけだった。
彼氏さんには会った事はない。
だからか、話にだけ聞く彼氏さんを想像することは私にはとても難しい。
最初にいたお店の客足は引き、もう一方のお店にみんなで移動することになった。
1時30分。
普段は一時には閉まるお店は、まだ空いていた。
若い子達と、それを取り囲むおじ様たちの熱気は何だか鬱陶しかった。
私も歳を取っていくと、こんなおじさんになっていくのだろうか。
酔っ払ったママにブスと言われ、私は笑う。
「本当のブスにはブスなんて言えないでしょ?」
そんな何度も聞いたエクスキューズも今夜は酷く煩わしく感じた。
ただ何も言わずに罵ってくれれば良いのに。
私はブスなのだから。
私の推しとママさんは、売り上げの少ない今日の売り上げのため、そこにいたお客さんにあの手この手とお酒を勧めていた。
私よりも沢山の経験を積んで来た彼らは逞しい。
みんなあくまで楽しむを前提に飲んでいた。
なんだかんだでお開きになったのは朝の4時。
こんな時間まで飲んでいたのは久々だな。
各々家路につく。
帰りのエレベーターで、彼と一緒になった。
酔っ払った彼は私に抱きついて、キスをした。
こんな事が起こることは油断できず、私は狼狽えた。
でも、やっぱり嬉しく思ってしまうのだ。
それでもその直後に、どうしようもない虚無感が襲ってきた。
私は笑顔でみんなと別れ、駅まで1人で歩いた。
細い道、私の先を行く男性2人の歩くスピードが遅くてイライラする。
へらへらしてんじゃねーよ。
まるで自分に帰ってきた言葉のように感じた。
「あんたブスね」
リフレインは最悪のタイミングだな。
私は後何度こんなことを繰り返すんだろ。
これは私が望んだんだろうか。
心のどこかで一縷の望みとして求めた事はあったかもしれない。
中途半端に叶う望みは、何とも残額だな。
始発の電車の中で乗り過ごし、家までのバスは行ってしまった。
日常の些細な事なのに、そんな事でなんだか泣けて来きてしまった。
もう戻ってこないものね。
また待てば良いだけなのに。
でも、全く同じバスじゃないでしょ?
全く同じじゃなきゃいけないの?
私の望みと似ている気がした。
今日は泣ける映画でも観よう。
おしまい。