しろくです。ฅ(•̀㉨•́ )ฅ
帰りの電車で、老夫婦の隣に並んで座った。
自分の荷物を抱えて座って少し眠ろうと思ったら、おとなりの老夫婦の会話が聞こえてきたので、聞いていた。
どうやら東京から旅行にいらっしゃっていたみたい。
物腰が柔らかそうな奥さんが、今日の楽しかったことをご主人に話している。
少し声が高い奥さんの声から次々に出る話題に、ご主人が「うん、うん」と応えていた。
その横顔はとても優しい。
人の生きてきた記録は、顔や表情によく出ると思う。
この二人は、どんな穏やかな人生を共に歩んできたのだろうか。
いや、苦楽を一緒に過ごしてきたからこその穏やかさなのだろうか。
接客業をしていた時、お年寄りにはとても可愛い人が多いと思った。
苦手な人もいたが、多くのお年寄りは穏やかで、それでいて少年少女みたいな純真さを持ち合わせたり、育てた花を愛でたり、子供以上に孫を愛でたり。
電車の中でご夫婦の会話、というより、二人のやり取りを見ていたらマスクの下で笑顔になっていた。
二人ともとても優しい口調で話されるものだから、ちょっと会話に混ざりたい気持ちもあったけれど、不審者かと思われてしまうかもしれないので、うずうずした気持ちを静かに治めた。
聞き耳を立てていると会話はほぼ一方通行なのだが、それでもご主人は「うん、うん」と言いながら、時折違う言葉で奥さんの話に興味を示していた。
優しい人を見ると、なんだかとても良いものを見れたと得した気分になる。
ご飯屋さんとかでも、とても感じの良い人に接客してもらうと、凄く一日だったなと思う。
逆に、感じが悪い人に会うとその日一日引きずったりもしてしまうけれど笑
今日は良いものが見れたな。
ふと、昔の曲を思い出した。
ちょっと悲しい歌なのだけれど、そんな風に思える人がいる人生って、やっぱり良いなぁって思った。
私もいつか苦楽を一緒に乗り越えて、あの頃はこんなことがあったねぇと、一緒に話せる優しい人と一緒にいたいな。
ケンカをしても、あの夫婦のように旅行をして、楽しかったねって目を輝かせて報告し合いたいな笑
おしまい。