しろくまです。

 

先日久しぶりに東京に行ってきた。

 

G.W後の久々の東京。

 

 

先日出会い系アプリでメッセージをくれた方がお会いしたいと仰ってくれて、しかも会いに来てくれると言ってくださった。

 

しかし私は実家暮らしのため、会うにも色々不便だろうと思い、私が行くことを提案させていただいた。

 

 

恋は落ちるものとかタイミングとか聞くが、私のそれは今ふわふわしている。

アプリで会って、いきなり恋愛に発展することは何となく今の私にはないと思う。

 

 

その事を彼に伝えると、それで大丈夫と言ってくれた。

私はその言葉に甘え、気軽なお友達としてお会いすることにした。

 

 

東京に着き、地下を上がり外を歩くと、尋常じゃない汗が湧き出てきた。

人より汗っかきな私は、1人だけバケツで水を被ったかのようなおびただしい汗を体に蓄え、これから初めてお会いする人を待つという事に、凄く申し訳ない気持ちいっぱいだった。

 

 

 

Q、出会い系アプリで知り合った人が汗だくで現れたらどうします?

A、他人のふりして帰ります。

 

 

 

そんな街頭インタビューでのやり取りがあるかもしれないと想像しながら、ハンカチで汗を拭いながら彼を見つけた。

 

 

暫くすると、それらしき人を見つけた。

 

駆け寄って来てくれた彼は、

「長旅お疲れ様でした、暑かったでしょう?」

と、私の移動距離と汗だくの姿を労ってくれた。

 

 

そんな顔合わせを済ませ、暑いからと彼がそそくさと自宅に案内してくれた。

私は家に上がるなり、失礼を承知でシャワーをお借りした。

 

 

こんな汗だくな状態で、人様の家を徘徊するのも椅子に座るのも申し訳ない。

 

 

浴室から出ると、彼はクーラーを目一杯に効かせてくれ、氷いっぱいの冷たいお茶を用意してくれて、尚且つ手持ちの小さな扇風機を私にあててくれた。

 

至れり尽くせり。

ありがたい気持ちと同時になんだかご迷惑をお掛けしてしまってる気がしてしまい、恐縮してしまう。

 

 

服を着替えて、一緒にソファに座った。

彼の距離はとても近い。

 

いやではないのに、自分から触れたいとも思うことは無かった。

 

見た目もモテる人だろうし、こうして私に親切にしてくれる。

でも、恋という見方をするのなら、それは多分始まらないのだと思う。

この直感的な感覚は一体何なのだろうか…

 

 

一緒に御飯を食べに行き、一緒に酒を飲んだ。

 

 

普段お酒は飲まないが、誰かと一緒に飲むのは好きだという彼。

お酒が進むにつれ、饒舌になっていく姿の方がモテそうだと思った。

 

交通費と移動時間、それの対価としてご飯をごちそうしていただいた。

彼の家に戻り、少しだけお酒をいただいてから一緒のベッドで寝た。

 

 

かなり酔が回った彼は、甘えて私の腕枕で眠った。

それでも一線を超えることはなく、穏やかな夜は更けていった。

 

 

彼はどう思ってくれていたんだろう。

 

 

私は、叶うなら友達になれたらと思った。

 

 

彼との出会い方が違ったら、タイミングが違ったら、恋になったのだろうか。

そんな確かめようの無いことを思ってしまう。

 

 

原因は、私の中の「何か」なんだろうか。

 

 

何に見ないふりをしているんだろうか。

何を無くしたふりをしているんだろうか。

 

 

僕は弱さと言う

怪物かくして生きてる

 

 

スマホから流れてきた曲を久々に聞いて、その「何か」を取り戻そうとしている最中なんだと思って、前を向いて歩き出す。

 

前を見て、一歩一歩。

人が居ても居なくても、自分のスピードで一歩一歩。

 

 

汗を拭って空を見上げた。

 

 

今日も晴れそうだ。

ああ、暑い夏はもう始まっていたんだな。

 

 

 

 

おしまい。