しろくまです。

 

『このマンガがすごい!』とは、宝島社発行のマンガ紹介ムック本です。

ムック本とは雑誌と書籍の中間に位置し、不定期に販売されることが多い本です。1つのテーマに特化した内容が多いという特徴を持っています。

また、『このマンガがすごい!』の中には投票による漫画ランキングがあり、そのランキングを指すこともあります。

選考対象は、前年10月1日から発売年9月30日までに単行本が発売された漫画全てです。

『オトコ編(少年漫画・青年漫画)』と『オンナ編(少女漫画)』にカテゴライズされて、10位から1位まで発表されます。

『このマンガがすごい!』の編集長は宇城卓秀さんで、2019年から務めています。

 

 

さしずめ、漫画版の本屋大賞と言った所だろうか。

 

『このマンガがすごい!』で2019年の男性部門で受賞を果たした「天国大魔境」。

ディズニープラスで独占配信をしているのだが、太っ腹なことに1話から8話までYou Tubeで7月3日の昼まで無料公開されている。

 

 

~あらすじ~

 

魔境側

2024年、世界は崩壊した―未曾有の大災害から15年。 廃墟となった日本の地には“人食いヒルコ”と呼ばれる異形の化け物が巣食い、人々は細々と身を寄せ合って生きていた。 東京・中野で便利屋を営むキルコは、とある女性から謎の依頼を受ける。

 

天国側

未曽有の大災害で人類文明が崩壊して15年。外界から閉ざされた施設で暮らすトキオは、「外の世界に行きたいか」とのメッセージを受け取り戸惑う。異形の怪物が徘徊する外の世界では、キルコという少女がトキオと同じ顔をしたマルと共に“天国”目指して旅を続けていた。

 

 

一見、化け物退治にの様な設定の漫画にも思えるのだが、ところがどっこい。

 

物語は、天国と大魔境の全く異なる場所で、全く交わらない人間たちを描いていく。

天国では、学校のような所で子供たちが学校生活を送る風景が映される。

とても純粋無垢な子どもたち。

 

 

性教育を受けていないのか、性的興奮が何なのかわからない少年少女たち。

 

 

したいという欲求で、キスをし合う女の子たち。

好きな異性の裸をみて、自分の部屋に閉じ込めてしまいたいと本人に伝える少年。

 

この世界では性に対する「こうあるべき」を知らない少年少女が、自分の好きを相手に伝えられ、相手もそれに答えられないことはあっても嫌悪感というものを持っていない。

 

 

普通じゃない = 気持ち悪い 

 

 

この構図は一体どうやって生まれたんだろうな。

 

 

人は、未知なるものを恐れる。

なのでそれを排するために、気持ち悪い、恐怖といった感情を持ったのだろうかと思っていた。

 

 

もし教育の中で、同性同士の好意の授受も普遍的で有り得ることだと認識があったら、同性愛への価値観はどう変わっていたんだろうなと考えてみる。

 

 

まず、同性愛が普遍的であることが当然として認識されていれば、人々は同性愛を自然なものとして受け入れられるであろう。

 

 

教育が同性愛に関する情報を含めて提供し、性的指向の多様性を理解する教育するプログラムが実施されていれば、個人の性的指向に対する理解と尊重が進んでいる可能性があったのかもしれない。

 

 

日本書紀には、男神同士で「善友(うるわしきとも)」つまり性的行為アリの親友だったとの記述もあったり、精神的な繋がりを重んじた武士の男色文化も存在していたのに。

 

 

※武田信玄が浮気を疑われうろたえる姿が愛おしい笑

 

 

同性愛に限らす、宗教観や文化、生活習慣だって自分が過ごしてきた環境で形成されているわけで、その中で自分が持つ「当たり前」や「正義」は何に対してのそれなのだろうと考えてしまう。

 

色々な国の文化、人の価値観を知れば誰もが平和に暮らせるような方法や考えは生まれるのだろうか。

それとも収集がつかず、宗教観念や戦争に走ってしまうのだろうか。

 

 

自分が今まで培ってきた「普遍的」は誰かを否定しまうのだろうか。

 

 

いつかは、こんなことで悩んでいたなぁと笑い飛ばせるような、優しい目をしたじいさんになっていたな。

 

 

 

おしまい。

 

 

 

 

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