こんばんは、しろくまです。

 

 

タイプの方に積極的になれる人もいればそうじゃない人もいる。

私とEさんはその点において、正反対の人間だ。

 

Eさんはイケメンガチムチが来ると、途端に目をキラキラさせて積極的に接客をする。

 

 

あら!イケメン!いくつ?タチウケどっちかしら?彼氏は?

 

 

人懐っこい顔をしたイケメンさんは、嫌そうな顔することもなくEさんの質問に答えていく。

私もそのやり取りに耳を傾ける。

 

 

Eさんが積極的に自分を売り出している。

ゲイバーには、接客のマニュアルはない。

教えて貰えるのは、お酒の作り方や掃除、お酒の発注くらい。

 

 

接客のスタイルは千差万別、私はどちらというとタイプの人がいると全くと言って良いほど話せなくなるタイプ。

なので、Eさんみたいに話してくれる人がいるとありがたい反面、その人ばかりに話すと他のお客さんは?と思うこともあり、複雑な心境だ。

 

 

Eさんがトイレに行くと言って、その場を離れた。

その瞬間、イケメンさんは私にお酒の注文をしてきた。

私はEさんが怖いので、必要最低限の会話をしながらお酒を作る。

 

イケメンさんは更に私に話してくる_

 

 

Eさんがトイレから戻ると、私たちが会話をしている所に話を遮って割り込んでくる。

 

E「ちょっとー!この子が私から男取ろうとするんだけどぉ」と大きな声でわざとらしく叫ぶ。

 

イケメンさんがうまく誤魔化そうとしてくれているが、Eさんは本気でイライラしている。

 

そしてカウンターの下で、私の足を踏みつけてくる、ぐりぐりと。

私は表情を変えることもなく、仕事を続ける。

 

 

マンガみたいな事が起きたよママ!お願い

 

 

根性焼きとかされなくて良かった!

 

このイケメンさんの前で

「この前、この人にキャップ盗まれたんですよぉ。あんたに似合わないからって、勝手に被って盗んだんですよ、やばくなきいですかぁ、きゃぴぴ!」

くらいの事を言ってやろうかと思ったが、色々と面倒なのでやめた。

 

 

イケメンさんは次があるからと、退店された。

他にお客さんは数名滞在中。

 

 

Eさんはカウンターから外れて、椅子に座り携帯を見始める。

どうやら、今夜の夜の対戦相手を探している模様。

 

 

おい、仕事中!お・し・ご・と!!

 

 

それをネタに接客して、お客さんが楽しく飲めるならそれも芸だ。

でも私はそれがすごく嫌だった。

まぁ、若かったしね。

 

 

そしてお客さんがひいて、ノーゲストに。

 

 

Eさんは今度はソファーに仰向けになってチャンバラ対決できそうな相手を物色中。

 

そしてついに良さそうな男性を見つけたらしい。

良かったね。ファイト!

 

 

お客さんがいないことを良いことに、なんとEさんはその男性をお店に呼びつけた。

 

E「じゃ、私帰ります~」

 

 

はぁ?ニコニコ

 

 

私は聞こえないふりをして無視。

Eさんはかつかつと私の所に来て、バンっと頭を叩く。

 

 

Eさんの顔を見上げると、Eさんは

「帰るから、ママから連絡あったら適当に言っといて」

 

 

と吐き捨てて、その男性に体を密着させてお店を出て行くのであった。

私は私で、こんな人が本当にいるのね!と少し感動さえしていた。

 

 

私はシンデレラ!

意地悪な先輩店子にこき使われて、1人で締め作業中なの!

 

 

勿論シンデレラではないので誰も助けに来てくれることもなく、1人でお店の後片付けをし、朝6時から他のお店に大酒を喰らいに行くのであった。

(寝ろよブス)

 

 

 

つづく。