9月20日。
あの子が選んだ日。
何を決めるのにも私を頼ってたのに
最期だけ、
1人で決めて旅立った。


『遠い所に旅に出たのだと思ってください。』


あの子からの最後の手紙に書いてあった。

遠過ぎるよと、時々あの子に文句を言う。


月日の流れが早いのか遅いのか、
全く分からないけれど、
あの子に会いたい気持ちは重みを増すばかり。
どうしようもない感情が
行き場なく身体中を駆け巡って、
今日もあの子の名前を絶叫する。


9月20日、あの子が選んだ日。


9月20日、私は何を選び取ろうか。