SHIROKANE句会81[十二月]京しぐれなり男箸女箸  静魚 | SHIROKANE句会

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 暮れかけの島浮きあがる小春かな

 

 うるはしや障子を閉ずる手のかたち

 

 思ひ出はいろいろな色木の葉降る

 

 障子越し波うつやうな加賀言葉

 

                      静魚



 令和五年十二月、ことし最後のSHIROKANE句会のご報告です。 参加は静魚先生、夜空さん、分水嶺さん、綺羅里さん、美歩さん、知花さん、旅男さん、むらさきさん、鳥子さん、桃兎の10名。 毬さん、走流さん、地平線さんからの投句を含め、全九十一句の中から、先生の特選、選と参加者それぞれの特選を清書順にご紹介いたします♪ 

 

 

今月の兼題

[小春 小春日、小春日和、小春風、小春空、小六月]

[障子 冬障子、腰障子、明り障子]

 他当季雑詠

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 [河内静魚 特選]※全六句 ◎は特選中の特選です♪

 

 小春日や東京時間忘れましよう       分水嶺

 

 鮟鱇鍋競ひあつたり不仕合せ        桃兎

 

 七五三宝尽くしの帯締めて         夜空

 

 あはあはと闇浮いてゐる障子かな      走流

 

 空間に花の香満つる白障子         綺羅里

 

◎かるく寄す波に背ある小春かな       走流 



[河内静魚 選]※全十三句
 

 不可思議な男と女小春の日         鳥子

 

 日のいろのほどけしいろや小春空      走流

 

 ひもすがら小春の寺を巡りけり       旅男

 

 しづかさや小春の里の石畳         地平線

 

 鍋裏をぴかぴかにして小六月        桃兎

 

 鮟鱇や用意周到なる君と          むらさき

 

 父の詠み遺せし川柳小春風         桃兎

 

 小春日や側にあの人居るごとし       分水嶺

 

 旅の宿障子の奥の鳥の声          地平線

 

 小春日の仔犬のしつぽ二重丸        知花

 

 障子開け猫と目のあふ夜半かな       綺羅里

 

 熱燗の湯気の目にしむ薄明り        旅男

 

 子が開けし障子の穴はそのままに      分水嶺

 

 

[桃兎 特選]

 京しぐれなり男箸女箸           静魚

 

[鳥子 特選]

 子狐のこんと鳴きさうな障子かげ      夜空

 

[旅男 特選]

 鍋裏をぴかぴかにして小六月        桃兎

 

[綺羅里 特選]

 小春日や側にあの人居るごとし       分水嶺

 

[夜空 特選]

 白障子銀座の音のやはらげる        桃兎

 

[美歩 特選]

 潔き鋏の音や松手入            地平線

 

[むらさき 特選]

 小春日の音美しく転がるる         鳥子

 

[分水嶺 特選]

 障子越し波うつやうな加賀言葉       静魚 

 

[知花 特選]

 七五三宝尽くしの帯締めて         夜空

 

 

以上でした♪

 

 

次回、2024年1月初句会の兼題です。

 

[松の内 注連の内、松七日]

  門松を立ててある期間をいう。普通は七日までであるが、十五日までのところもある。松のある門は正月気分がただよう。この期間が過ぎて門松や注連飾りが取り払われることを松明・注連明けという。

 

[淑気]

  新春のめでたい気配を指す。新年をことほぐ天地の間には、瑞祥の気がみなぎっている感じを受ける。新年だからといって天文気象に特別な変化はないが、荘厳の気のただようめでたい気分を感覚的に捉えたもの。

 

 (「合本現代俳句歳時記」角川春樹編 より)

 

 

 青墨をやはらかに磨る淑気かな    加藤三七子

 

 

 

●次回:2024年1月6日土曜日 13:00〜  会場:未定

●兼題で四句、当季雑詠で三句、の計七句お持ちください。