SHIROKANE句会4[七月] 小気味よき箸の速度や夏料理  静魚 | SHIROKANE句会

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 水音の夏をとこ川をんな川

 

 昼寝より目が覚め零の気分なる

 

 二人立つあはひにこぼれ竹落葉

 

 風の来て風となりたる風知草


                         静魚



SHIROKANE句会第4回目、七月のご報告です。 出席は静魚先生、毬さん、結女さん、留以さん、夜空さん、分水嶺さん、地平線さん、綺羅里さん、酔雲さん、透子さん、美歩さん、桃兎の12名。太平洋さん、杜陵さんからの投句を含めた全八十四句の中から、先生の特選、選と参加者それぞれの特選を清書順にご紹介いたします♪

(公表が障る方の句は伏せます。)

 

 

七月の兼題

 青林檎 早生林檎(わせりんご)

 単衣(ひとへ) 単物(ひとえもの)

他 当季雑詠

 

 

 

 


[河内静魚 特選]※全六句。◎は特選中の特選です♪

 不都合のなき一日や青林檎          綺羅里

 

 単物身に添うてきし夕ごころ         酔雲

 

 月光にアートめきたる青林檎         夜空

 

 単衣着て下駄の鼻緒をゆるめけり       分水嶺 

 

 客女将ともに鄙びし扇風機          杜陵

 

◎青りんご空に浮かべてみたきもの       桃兎



[河内静魚 選]※全十二句。

 単衣着てひと日つれづれなるままに      酔雲

 

 青りんご青くるくるとむいてをり       美歩

 ボルドーの酔ひは重たき昼寝覚        太平洋   

 見つめれば語りかけ来し青りんご       桃兎

 

 青りんご引越し先は不明です         留以

 

 ただならぬ夜にひと口青林檎         留以

 万緑や風吹き抜ける五大堂          毬

 

 結女句

 

 白百合の墨のあはさに浮いてをり       美歩

 

 青りんご尻にかすかな花の跡         杜陵

 

 額の花雨の滴に縁取られ           地平線

 

 青りんご赤く実つた夢を見る         透子




[美歩 特選]
 青りんご田の神抱く岩木山          毬


[夜空 特選]
 ボルドーの酔ひは重たき昼寝覚        太平洋



[分水嶺 特選]
 月光にアートめきたる青林檎         夜空


[地平線 特選]
 単衣着て襟元風を呼びにけり         分水嶺


[留以 特選]

 単帯佳き日に合はす金綴れ          夜空

 

 

[結女 特選]

 青りんご引越し先は不明です         留以

 

 

[毬 特選]

 つくばいにかがむ単衣の抜き衣紋       夜空

 

 

[透子 特選]

 川風に単衣の袂ふうわりと          夜空

 

 

[酔雲・綺羅里 特選]

 風の来て風となりたる風知草         静魚

 

 

[桃兎 特選]

 青りんご赤く実つた夢を見る         透子

 

 

 

 

以上でした♪

 

 

 

次回の兼題です。

 

[涼し 涼気、朝涼、夕涼、晩涼、夜涼、水涼し、庭涼し、鐘涼し]

 暑いものとあきらめている夏のひととき、思いがけなく、さあっと風が吹いて風鈴を鳴らして行ったりする。暑さと涼しさは、光と影のような関係にあり、照りつける太陽の下から木陰などに入ると、ほっとする涼しさを覚える。人は、暑さを忘れようと海や山へ出掛けたり、あるいは、水を打つなど、さまざまな工夫を凝らす。その涼しさを求めることを、古来「夏のほか」「夏のよそ」などともいっている。

 

[百日紅(さるすべり) 百日紅(ひゃくじつこう)、白百日紅]
 ミソハギ科の落葉高木。原産地はインド。樹高三〜七メートル。江戸時代に中国から渡来し、寺の境内などに植えられた。七月ごろ紅い花をむらがり咲かせ、花期が百日に及ぶところから百日紅と名付けられた。花は淡紫色・白などがある。和名のさるすべりは、木肌がつるつるして猿でも滑りそうだというところから出ている。炎天に梢の紅や白のさるすべりの花が揺れるさまは、はるかな日々を思い出させてくれるようである。

 

(「合本現代俳句歳時記」角川春樹編 より)

 

 

 

 

 涼しさや鐘をはなるゝかねの声      蕪村

 

 

 

 

 

 ではまた八月に♪