2023年4月にシロイルカ総合病院の副院長になってもうすぐ1年が経過します。大学医局から離れている私が副院長に指名された一番の理由は「院長や病院を支えることができるだろう」という当時の病院幹部の判断だと認識しています。私としては副院長になれば違った景色があるだろうと漠然と思っていました。実際に見た景色は「職員一人一人を大切にしなければ組織の力は落ちていく」、「病院が赤字になれば自由を奪われ、黒字になれば前に進める」、「この立場はいつも誰かに謝っている」ということなどでしょうか。

 浜田に住み始めた18年間前からシロイルカ診療所とシロイルカ総合病院で浜田圏域の医療を見てきました。内科を支えることが必要だと判断し、異動できる条件があったこともあり、9年前に自らの意志でシロイルカ総合病院に「移籍」(病院側は「割愛」と表現)しました。当然、仕事量が増えることは覚悟の上でした。明るい話題が少なかったり、感動したことが個人情報に触れることだったりで、このブログの更新頻度も減ってしまいました。

 さて、私はgoogleの「クチコミ」をよく見ています。現在は70件ほどの投稿があり、受診して悪い感情を抱いた方からのコメントが多いようです。投稿した方から見た事実だと捉えて状況を分析し改善につなげています。他のSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の投稿も情報をいただいて分析を試みています。これらは救急外来の診療に対するコメントが多いようです。当直医が一人ですべての疾患を診療するため、医師には余裕がなく、受診した方の意向に添えなかったり、説明不足が生じたり、不適切な発言が出たりするようです。

 病院のウェブサイトには「お問い合わせ」という欄があり、投稿していただいた内容は管理課を経て病院幹部に伝わります。「お問い合わせ」に意見をお寄せいただければ、病院を良い方向に改革する一員として一緒に前進できると信じています。(くま)