言葉になる前に、もう分かっていたこと
何かに気づくとき、言葉が先に来るとは限らないのだと思います。むしろ、身体のほうが先に知っていて、あとから言葉が追いついてくることのほうが多いのかもしれません。ここは違う。もう前と同じではいられない。苦しい。そういうことを、頭で理解するよりも前に、もう分かっていた気がします。でも、分かっていたからといって、すぐに動けるわけでもありませんでした。言葉にならないものは、人にも伝えにくいし、自分もわかっていないからです。たぶん大丈夫。気のせいに違いない。きっと考えすぎ。そんなふうにしながら、何度も同じところに戻っていた気がします。それでも、完全に同じ所には戻れなかった。前と同じようにしているつもりでも、どこかに小さな違和感が残っていました。うまく説明はできないけれど、身体の奥のほうでは、もう分かっていたんだと思います。本当は、もう合わなくなっていたこと。無理をして合わせ続けても、前のようにはいかないこと。言葉になる前に、もう分かっていたことは、ずっと消えませんでした。気づいていないふりをしても、なかったことにはできなかった。だから私は、その違和感を急いで答えにしないまま、置いておける場所が必要でした。そして今は、同じようにまだ言葉にならないものを抱えている人が、少しだけ力を抜ける場所を作りたいと思っています。