相談をいただいので、それについての私の応えになります。

 

相談内容

 

 

『最近、スーパーや職場で、独特の臭いがして、体調が悪くなることがあります。これは何かの病気でしょうか。』

 

詳細

 

①どのような症状ですか。

→喉の痛みや頭痛、咳、くしゃみや鼻水がでたり、気持ち悪くなることもあります。目が痒くなったり、腫れることもありますし、顔や腕に湿疹が出来たり、痒くなることもあります。たまにドキドキと急に鼓動が早く感じる時もあります。

 

②そういった症状はどの位の期間、続きますか。

→その場から放れると治まることもあれば、数日続くこともあります。

 

③症状が続くのは、どんな場合ですか。

→旅行に行ったり、外食をした後に多いような気がします。

 

④どのような状況で、臭いを感じますか。

→主にスーパーや職場ですが、人が近くにいる時だけでなく、臭いが留まっているスポットのようなものを感じる時もあります。そこから離れると、いくらか楽になります。冬場よりも夏の方が臭いは強く感じますし、臭いを感じる場所や状況も増えている気がします。

 

⑤感じる臭いは、どのような臭いですか。

→甘かったり、鼻にツンとしたり、その時々によって違います。柔軟剤のお花のような臭いの時もあれば、アルコール消毒やプールの塩素消毒のような臭いの時もあります。

 

考察

 

相談者さんからの聞き取りを元に、化学物質過敏症の可能性を考えました。

 

化学物質過敏症は、何らかの化学物質に大量に曝露するか、または微量の化学物質に繰り返し曝露すると発症するとされています。

化学物質への感受性は、個体差が大きいので、同じ環境にいても発症する人としない人がいます。

どんな化学物質に対して反応が出るのか、そして現れる症状の程度にも、個体差があります。

相談者さんが臭いの影響を受けて現れる症状は、この化学物質過敏症の症状によく当てはまっています。

 

また、体調を悪くする臭いは様々ありますが、スーパーや職場で臭いを感じる事から、周りにいる人が使用している洗剤や柔軟剤、香水などが原因と考えられます。

 

化学物質過敏症支援センター 

 

 

 

また、平成15(2003)年版『環境白書』より

 

「今日、推計で5万種以上の化学物質が流通し、また、わが国において工業用途として届け出られるものだけでも毎年300物質程度の新たな化学物質が市場に投入されています。化学物質の開発・普及は20世紀に入って急速に進んだものであることから、人類や生態系にとって、それらの化学物質に長期間曝露されるという状況は、歴史上、初めて生じているものです」

と、あります。

 

平成15年度版 環境白書 環境問題の現状と政府が環境の保全に関して講じた政策 第1章環境への負荷が少ない循環を基調とする経済社会システムの実現 第5節化学物質対策 1化学物質による環境汚染の現状 

 

 

 

 

これを大胆に言い換えると「毎日1種類の新しい化学物質が世の中で使用されるようになっていますが、新しい化学物質なので、どんな影響が出るのか、まだ分かっていません。」と言うこともできるでしょう。

 

この環境白書から約20年が経っていますが、人体への影響やそのメカニズムが分かっていない事が、令和4年度版化学物質と環境(調査報告書詳細版まえがき)に記載されています。

 

令和4年度版化学物質と環境 調査結果報告書詳細版 

 

 

 

対策

 

未だどのような影響があるか分からない、またそのメカニズムも分からない化学物質が溢れる世の中で、化学物質過敏症の対策は、原因と考えられる臭いの元になっている化学物質を避けることが第一になります。


臭いを感じて体調が悪くなる場所を避けます。また、特定の人が近くにいる時に臭いを感じて体調が悪くなる場合は、その人との接点を減らすようにします。


もし、洗剤や柔軟剤、殺虫剤、香水、シャンプーなどのケア用品で体調が悪くなる事があるなら、化学合成されたものではなく、昔から使われている自然に近い製品に変えましょう。

 

 

最後まで読んで頂き、ありがとうございます。

必要な方に届きますように☆彡