アッシュが眠るように死んだ。
それから長い月日が流れた。


復刻版を買いました。

気軽に読み返せるマンガではないため、

今回改めて通しで読んだのは、

おおよそ4度目くらいかもしれない。




読み終えた直後より、数日間じわじわくる。


いまはじめて、アッシュが死んだことに

向き合えてる。





昔は泣いてばかりいた。


悲しくて、どうにもならなくて、
やりきれない。


私には、20年以上の月日が必要だった。


【独り言です】













ショーターをやむなく撃ち殺した夜、

英二へはじめて生まれた気持ち。


なんなんだ?これ。という表情のアッシュ。

とりあえず、仲間に念押しして、

英二たちを先に逃がした後の、

アッシュの後ろ姿の余韻。





英二の前で「そばにいてくれ」

はじめて素直に言えた夜。



何にも考えずに眠って、スッキリ目覚めた、

英二がそばにいた明け方。




英二はいつも、素直に自分の気持ちをアッシュに伝えていたよね。



アッシュはその半分も、いや、言葉では全然

言い表せてなかった。

ブランカだけには、言えたっけ。

英二の存在がどんなに自分を幸せに満ちた気持ちにさせてくれたのかを。


言葉では伝えることができない
代わりに全身全霊で英二を守った。



はじめはスキッパーやショーター、兄のグリフィンをたて続けに亡くして、そばにいた赤子のような英二を、兄弟のように守ってたよね。

いつからだろう、

お互い依存性みたいになっていった。


どっちが守って守られてるのか。


最後の英二の手紙は、シンの言う通り

まさにラブレターだった。





アッシュは気づいてしまったのかもしれない。


兄弟とも、親友とも違う。







こんなにも大きな存在だったということを。




あのニューヨークで、

アッシュはこれからも生きていくはずだった。


アッシュであれば、お金は自分でどうにでも出来るだろう。

もともとは指名手配されて、しかも死んだはずの人間だ。
仲間とは縁を切って暮らすだろうか?
いや、彼は本来、さみしがり屋で仲間思いの

性分だから。


ゴルツッネは去ったが


しかし、ほかの人々がアッシュを放っておくはずがない。







英二がもしニューヨークに留まるとしたら、

アッシュはどう生きただろうか?




愛する英二と、


ともに生きていくことができたのだろうか。




そう、当たり前の生活を、

あの汚れを知らない英二に

与えることが出来るだろうか?









英二の幸せを願いながら、
自分の願いに溺れながら、
幸せな夢をみる。


わかっていた。




もう

戻れないことは。