私が支部長を務める労働組合のある会社では、新入社員の入社があるとすぐに会社主導で新入社員研修が行われます。2週間のプログラムが組まれますが、社外での社会人マナー研修や、情報システムの研修として支給されるPCを用いて社内イントラを使ったり、社内ネットワークを利用する研修もあります。工場を所有する会社なので、工場の各現場での実習を含む研修も充実しています。

そんな中、半日を使った労働組合の研修も組み込んでいただけています。これは大変ありがたいことであり、先達の不断の努力のたまものであり私たちも大切に大切にしている時間です。

 

労働組合の組織率は16.7%(令和元年, 厚労省)と発表されており年々減少していますが、従業員数100人以下の小企業では0.8%(令和元年, 厚労省)です。1000人に8人の割合であり、もはやppmの世界です。

ブラック企業はたくさんあり、労働組合がない場合が大部分と言われることが多々ありますが、もしそうであれば組織率が下がっていくということはブラック企業が増え、不当で厳しく立場の弱い労働条件で働かされる人が増えるということになり、決してよいことではありません。しかしながら現実的には、労働組合があったとしてもきちんと機能していなかったり、輪番制のやらされ当番として形骸化している労働組合も少なくないと聞きます。運営する側もされる側も必要性や意義が感じられていないということでしょう。私自身もそういう流れの中で苦心することが少なくなく、どげんかせんといかんと日々思いながら活動しています。

 

先日、経済学部系の大学院生の論文だったと思いますが、どうして組織率が上がらないのかという点に対する記事を見つけ、興味深く読みました。労働組合に加入するかしないか、あるいは加入した後積極的に活動するかしないかの行動を二手に分けてしまうタイミングがあるというのです。

 

それは、労働組合への入り口となる入社時なのだそうです。

 

私自身もそうでしたが、新しい会社に入るとき(私は新卒でしたので特に)には緊張しながらも期待感とやる気に満ちているものです。今となって思い出せば面倒で退屈な研修もありましたが、いろいろなものを吸収できた数週間だった記憶があります。労働組合というものに出会うのも初めてという新入社員さんは、新卒・中途問わず意外といらっしゃるものです。会社から時間を頂き、また新入社員さんご自身の貴重なお時間を頂いて行うガイダンスですので、可能な限りの準備をして良質な説明をすべきだと思います。やはりそこでの伝え方こそが、その方と労働組合のその後の関係となるような実感を持っています。

 

今、私たちの執行部で取り組んでいることの一つに、労働組合の新組合員ガイダンスで使用しているテキストのさらなる充実です。私が担当するようになってからは、毎回のように手直しをしたり、新しい情報や工夫を加えたりしてきました。しかし、手つかずだった部分もあり、現在はそこに取り組んでいます。

新しく執行委員さんになってくださった方にお願いし、用語解説のコーナーの用語を増やしています。以下にリストアップした用語の説明文を調べて作ってもらうことをお願いしております。一生懸命取り組んでくださっており、今日の退勤時に労働組合の事務所の電気がついていたので覗いてみると、その方がヒントとなるような資料はないか、書棚をチェックされていました。大変ありがたいことですし、うれしかったです。資料が充実することももちろん大切ですが、それ以上に、その方の自律的な行動によりその方の知識が増えていくことがとても大事です。

 

なお、宿題となっている用語のリストは以下です。皆さんは説明できますでしょうか?

 

「大会」、「執行委員会」、「三役会」、「四役会」、「事務折衝」、「労使協定」、「労働協約」、「職場討論会」、「職場委員」、「就業規則」、「チェックオフ」、「慶弔共済」