【本の紹介】幸せになる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教えII | シロアリコードレスボッチの具

シロアリコードレスボッチの具

6代目バチェラーのシロアリコードレスボッチと申します。

幸せになる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教えII

岸見 一郎, 古賀 史健 著 ダイヤモンド社(2016年)

 

 この本は、ギラギラした成功者とか自己啓発界隈でバイブル化して崇拝されている「嫌われる勇気」の続編です。フリーザみたいなアスペっぽい青年と哲学老人の対話を通じて、アドラー心理学とは何ぞやを紹介した本です。読んでなかったので基本教養として読んでみました。


 10年くらい前には、岸見一郎先生の書かれた「アドラー心理学入門」という本も読んでいますが、ぼくはアドラー心理学というものがしっくりきません。前作「嫌われる勇気」には熱狂的な信者が多く、下手なことをいうと市中引き回し・はりつけ・火あぶりにされてしまいますが、理想的・理性的すぎて現実と齟齬があるように感じます。

 

 「人間関係の悩みは対人関係の悩みである。そして幸せになるには、他社への貢献感、ひいては共同体感覚を得ることだ。」みたいな感じのアドラー心理学です。目指すところは「人類補完計画」。みんなベチャっとLCLの海になっちゃって、他人との境界を消してしまおう。わたしとひとつにならない?

 

 ぼくは、いわゆる文系としての心理学・哲学よりも、生物学的な理論を優先して社会をとらえがちであり、自然人類学とか脳科学とかから、人間の社会性とかを考察するアプローチのほうがしっくりきます。その観点からすると、アドラーの目指す理想は、所詮IQ100程度のサルであるホモ・サピエンスの能力を超えている気がしてなりません。