【本の紹介】お金の減らし方 | シロアリコードレスボッチの具

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6代目バチェラーのシロアリコードレスボッチと申します。

お金の減らし方

森 博嗣 著 SB新書(2020年)

 

 ブックオフで買うた本です。以前にリベ大で紹介されていたのですが、「あ、たぶんこの著者は自分と感性が似てるな」と感じたので読んでみました。自分と似ている人というのは、つまり変な人という意味です。

 

 どんな本にしても、本のタイトルというものは出版社が売れるように作った、いわゆる「サムネ」のようなもので、本の内容と多少違っていても、読者の目にとまりやすいようにつけているものです。つまり、この本は「お金の減らし方」について書いた本ではなく、真の内容は、どのようにお金を使ったら人生が充実するか、という著者なりの考えが書かれています。

 

 著者の主張は、「必要なもの」にお金を使うな、「ほしいもの」にお金を使え、というものです。著者は、大きな庭でミニSLを走らせたいという目標があり、そのために(嫌々ながら)小説を書いて、なぜか大ヒットして20億円稼いで、目標を実現したという人です。

 

 現代の人は、自分のほしいものにお金を使っていません。言い換えれば、自分のほしいものが何なのかほとんど理解していません。外食とかテーマパークに行ってインスタにアップしたり、ちょっと金持ちになると、高級車やブランドバッグを買ったりしがちですが、それは、他人に見せたいから買っているのであって、自分の価値観で物を評価してないのです。こんなことのために毎日一生懸命働いています。これはすなわち、他人のために自分の人生を捧げている奴隷です。

 

 こういった承認欲求は誰にでもあるものですが、SNSの時代を生きていく上で、意識的にコントロールしないと惨めな人生を送ることになります。自分が本当にやりたいこと、ほしいものは何なのか、その際に自分に問いかけることは、「見せる人が誰もいなくても、それを買うか?」です。