【本の紹介】LIFE SHIFT(ライフ・シフト)―100年時代の人生戦略 | シロアリコードレスボッチの具

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6代目バチェラーのシロアリコードレスボッチと申します。

LIFE SHIFT(ライフ・シフト)―100年時代の人生戦略

リンダ・グラットン、アンドリュー・スコット著 東洋経済新報社(2016年)

 

 本の紹介をしたいと思います。正確には、本の内容の紹介ではなく、本を読んで個人的に思ったことを書くだけです。この本は、おそらく「マコなり社長」の動画で紹介されていたので、ブックオフで買ってみたやつだったと思います。2016年に出版された本ですが、自分は全ての物において「最新の物」にあまり興味がなく、いろいろなコンテンツをいち早く消費し、SNSに上げるなどして承認欲求を満たすことに1ミリも価値を感じない人間です。世間の流行が過ぎ去った頃にいかに安く中古で手にいれるか、そこに全集中しています。世間と同じことをしないこと、これがコスパ最強の生き方です。

 

 この本をひらいてすぐ思ったこと、それは「前提がウンコ」ということです。人類はこれから平均寿命が100歳を超える。だからこれまでの生き方を変えていこう。これがこの本の主張です。なぜ平均寿命が100歳を超えるのか、それは、これまで人類の平均寿命は延びてきてるから、このペースで行くと間違いなく100歳を超える。このような理屈を真面目に語っています。なので、以降の内容がまったく頭に入ってきませんでした。

 

 何がウンコなのか理解できない人もいるかもしれませんが、生物学的な話をすれば、寿命というものは、その種が進化の過程で「獲得」したものです。極端なことを言うと、不老不死の生物に進化することも可能だったのですが、ある個体がいつまでも生き続けていると、種全体として新陳代謝ができず絶滅してしまうので、「死ぬ」という能力を獲得したわけです。つまり、寿命を最大化する方向に進化してきたわけではありません。子孫を残せば、後はどうでもいいのです。

 

 この寿命というものは、それぞれの種の遺伝子(ゲノム)で決まっています。それが、人間であれば120歳くらいが生物的な限界であって、今の日本人であれば、2023年の平均寿命は男性が81.05年、女性が87.09年です。つまり、衛生環境も良く、医学の発達した今の日本で普通に生活していても、85歳くらいで死にます。逆に考えて、平均寿命を100歳にするにはどんな環境でどんな生活を送ればいいんでしょうか?今の高齢者と同じ生活をしていては絶対に無理です。国民全体がどれだけの予防医療・危機管理・生活管理を徹底すればいいのか想像がつきません。

 

 このような思考に陥りがちなのは、政府の思惑もあるかもしれません。人口減少社会では、これから高齢者人口が増えていくので社会保障費がひっ迫します。なので、65歳をすぎた老人にも働いてもらうために「寿命はどんどん伸びていくよ」と喧伝しています。そのあたり、自分がいつ死ぬのか冷静に考えて将来設計を建てないと、死ぬ直前まで必死に働いて棺桶に直行します