戦後という時代背景を選んだのは大正解!『ゴジラ-1.0』 | 白鴉(shiroa)のビバラムービー

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山崎貴監督は、ギャンブルだと思ったけどね。

 

しろあです。

見ました。

公開、と聞いたときにはまったく興味なかったんですよね。

『ALLWAYS三丁目の夕日』の山崎さん。

『DESTINY鎌倉ものがたり』の山崎さん。

前者は見てないんだけど、とても評価高いですよね。

ただ、そのCGの映像に微妙な違和感があって。宣伝見てるだけで見る気になれなかった。

後者は宣伝見てるだけで「これ、つまんないやつやん」って見抜き、

テレビで流れていたのを数秒みて「やっぱりつまんないやつやった」と結論づけた作品です。

 

でも『寄生獣』、『海賊とよばれた男』は良かった。

山崎貴と知らずに見たこともあるんですけど、ストーリーをしっかり楽しめました。

特に『寄生獣』でミギーと主人公が一緒に料理するシーンはかなり面白いですよ。

もちろんミギーがCGなのはわかってるんですけど。

ミギーが手を刃にして野菜を切る、これをカットを分けて演出すれば簡単なんだけど、

少し引いた目線で染谷くんが材料をまな板にのせ、それをミギーが切り、

切ったものを鍋(かザルだったと思う)に入れる。

染谷くんとミギーは会話しながらね、自然な流れでね。

それをワンカットで表現してる。

これって本当にミギーが存在しなきゃできない絵だよな、というシーン。

山崎さんの映像マジックのレベルの高さを実感した次第です。

これをみるだけでも価値のある映画ですよ。

 

ということで。

私の印象では山崎貴という監督は、いい素材を用意して、うまく実力を引き出して上げれば素晴らしい映画作品が撮れる監督。

逆にその気にさせることが出来なければ駄作になっちまう、そういう両極端なところがある、いってしまえば芸術家寄りの監督ではなく商売よりの映画監督なんだなと思います。

 

で、問題は『ゴジラ-1.0』はどっちだってことですが、

 

 世間で好評を博している通り、これは傑作でした。

 

映像がすごい! って評価されてますが、実は私はそこはあまり感動してません。

なんなら『シン・ゴジラ』の方が映像は面白かったと思います。特撮のアナログ感がありましたからね。

すごかったのは、ストーリーです。

 

戦後の日本ですよ。

重火器、機雷(海用の地雷)がまったく効かない化け物。

そんなのをどうやって撃退するか?!

その作戦に痺れます。

 

ストーリーも戦後の日本によくあったお話。

孤児を養う母親を、保護する主人公。……ややこしい。

戦争でたくさんの人が死に助け合って生きるしかなかったので、

そういう人間関係で生活する家族は今以上にあったと思います。

 

そこんところの人間模様が面白い。

主人公は戦争中に逃げ出した過去があり、

その後悔、トラウマを背負って生きている。

 

ゴジラを撃退することで、そんな過去を払拭する!

という物語の流れに不自然さはなく、視聴者は素直に共感しながら

ゴジラとの最終決戦を見守ることができます。ここが熱い!

 

特撮は苦手とか、山崎貴監督はあんまり好きじゃないとか、

戦争映画が見る気になれないとか。

なんか敬遠しちゃってる人もいると思うんですけど、

 

是非みといたほうがいいですよ!